『無職転生』作者、『惑星のさみだれ』を「全人類読んで」と推薦 「これを読んで死ぬのは作品への裏切り」

ライトノベル『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』の作者・「理不尽な孫の手」が先日、Xで水上悟志の漫画『惑星のさみだれ』を推薦した。

自身が人生で最もつらかった時期に読んでいた作品だといい、当時は「これ完結したら死ぬか~」とまで思っていたという。しかし最終回を読み終えた時、逆に「これを読んで死ぬのはアカン。作品に対する裏切りや……」と感じたと明かし、「全人類読んでね」と呼びかけた。この投稿は大きな反響を呼び、作者の水上悟志本人も反応している。

惑星のさみだれ』は水上悟志による漫画で、2005年に少年画報社の『ヤングキングアワーズ』で連載がスタート。2010年に完結し、単行本は全10巻が刊行されている。2022年にはTVアニメ化されたものの評価は振るわず、水上本人も自身の影響力の乏しさを嘆いていた

物語の主人公は、平凡な大学生の雨宮夕日。ある朝目を覚ますと、部屋にはノイ=クレザントと名乗る人語を話すトカゲがいた。ノイは、地球の破壊を企む邪悪な魔法使いから「姫」を守る騎士だと説明し、夕日に姫へ忠誠を誓う「指輪の騎士」となって、地球を守る戦いに加わってほしいと協力を求める。

『無職転生』の作者・理不尽な孫の手は、『惑星のさみだれ』から非常に大きな影響を受けたという。人生で最もつらく、もう駄目かもしれないと思っていた時期に連載を追い続けたことが救いになり、当初は完結を見届けたら死んでもいいと考えていた。しかし最終回を迎えた時、「これを読んで死ぬのはアカン。作品に対する裏切りや……」と思い直したと振り返り、すべての人に読んでほしいと薦めている。

投稿はすぐに読者やファンの間で話題となり、水上悟志本人も反応。「フォローありがとうございます。首を搔ッ斬って血の雨にて詫びずに済みそうです。いやー描いて良かった。無職転生も読むことが出来て……」と返信した。

水上が「首を搔ッ斬って血の雨にて詫びる」と表現した背景には、先に明かしていた『無職転生』とのつながりがある。作中で老デウスが口にした「漫画で読んだだろ? 信じる、信じないを口にするやつは、必ず嘘をつくんだ」というセリフに登場する「漫画」は、実は『惑星のさみだれ』だったという。

水上はこの時、「これで『ほんとは別の漫画です』って言われたら首を搔ッ斬って流血にて謝罪申し上げます」と自虐的に投稿していた。

水上悟志が投稿を引用した後、理不尽な孫の手も「こちらこそ、ありがとうございます! お陰で生きています!」と返信。当時、『惑星のさみだれ』に救われたにもかかわらず、事前の許可を得ずにこのような形で作中へ登場させ、どの作品なのかも明記しなかったことを、ずっと申し訳なく思っていたと明かした。

理不尽な孫の手はその後、改めて投稿し、水上悟志が指摘した通り、老デウスのセリフに登場する「漫画」は『惑星のさみだれ』で間違いないと説明。「『惑星のさみだれ』をよろしくお願いします」と呼びかけている。

両作者のやり取りが広まると、多くの読者も反応した。あるXユーザーは「創作物ってやっぱり人を救うんですよね」とコメント。自身も『無職転生』をはじめ、さまざまな作品に救われてきたため、この思いに深く共感すると語っている。

また、『惑星のさみだれ』は自分が最も好きな漫画だとし、「人生で大事なことはこの作品から学んだと思っている」と語るユーザーも。数多くの漫画を読んできた中でも、心の底から強く響いた場面や言葉が最も多い作品だと絶賛している。未読の人に対し、「だまされたと思って、少なくとも第10話までは読んでみてほしい」と薦める声も上がった。

作品の特徴について、「異能の本質は皆同じで、使い方が人によって異なる」という設定を取り入れた異能バトル作品でありながら、戦闘そのものよりも登場人物の人生観に重点を置いているとの分析も。当時の王道的なバトル作品とは異なる作風で、最後まで面白かったと評価されている。

両作者によって明かされた作品同士の意外なつながりをきっかけに、『無職転生』の読者からも、完結から十数年が経った『惑星のさみだれ』へ改めて注目が集まり、SNS上で推薦や感想が広がっている。

編集部としても『惑星のさみだれ』はぜひおすすめしたい作品。興味を持った人は、ぜひ漫画を手に取ってみてほしい!