武内直子さんが手掛けたバトル系魔法少女作品の金字塔『美少女戦士セーラームーン』。誕生から34年以上が経過した現在も、国内外のファンから根強い人気を集めています。
そんな中、Xで幼少期にアニメ『美少女戦士セーラームーン』を見ていた頃の疑問を振り返り、「タキシード仮面って、いったい何の役に立つの?」と投稿したユーザーが話題に。多くのファンから共感が寄せられ、「うさぎじゃなくて、彼こそヒロイン」との声まで飛び出しました。一方、アニメ版と原作漫画では、タキシード仮面こと地場衛の描かれ方がかなり異なるとの指摘も上がっています。

話題のきっかけとなったのは、Xユーザー・ゆっきーさんの投稿です。以前からアニメ『美少女戦士セーラームーン』を見るたびに、タキシード仮面が何のために登場しているのか、いまひとつ分からなかったといいます。
特に『美少女戦士セーラームーンS』では、タキシード仮面が姿を現すたびに「もしかして、バラを投げることしかできないのでは?」と思っていたそうです。さらに『美少女戦士セーラームーン セーラースターズ』では、「こいつ、いったい何をしに来たんだ?」という疑問を抱えたまま視聴。カッコいいことは間違いないものの、それ以外の見せ場がなかなか見当たりません……。
このド直球なツッコミに、ネットユーザーも次々と反応。アニメ版のタキシード仮面といえば、満身創痍で瀕死になっているか、敵に連れ去られるか、洗脳されているか……という展開が、もはやお約束になっていたとの声が寄せられました。

投稿者も、タキシード仮面が毎回のように早々と倒される姿を見て、「毎回真っ先にやられるの、やめてくれない!?」とツッコミたくなったそうです。むしろ、いつもセーラー戦士たちに守られている印象すらあったと振り返っています。

ピンチに陥りがちな点だけでなく、タキシード仮面ならではの登場スタイルも格好のツッコミポイントとなりました。
大人になってから見返すと、タキシード仮面は「バラを投げ、よく分からないポエムを披露する」謎のイケメンだったと気付いた人も。セーラー戦士たちの方が明らかに強いのに、危機一髪の場面で颯爽と現れ、バラを1輪投げてキザなセリフを残し、そのまま立ち去る――それだけで「ピンチを救った感」を醸し出すのがすごい、との声も上がっています。


時にはわざわざ電柱によじ登り、高い場所からバラを投げていたという記憶も掘り起こされ、そのシュールさがさらなる笑いを誘いました。

一方で、タキシード仮面の立ち位置を別の角度から捉え直す意見も登場。任天堂の『スーパーマリオ』シリーズに例え、「セーラームーンがマリオなら、タキシード仮面はピーチ姫」とする声もありました。メインで戦うことを期待するのではなく、救出される側のキャラクターだと考えればしっくりくる、というわけです。

中には「うさぎじゃなくて、彼こそヒロイン」と言い切る人も。「すぐ敵に捕まり、洗脳される」という扱いは、確かに王道ヒロインそのものでは……?


また、『美少女戦士セーラームーン』は、ヒーロー役をセーラー戦士たちが担い、逆に「ヒロイン役」をタキシード仮面が担う作品だという考察も。ある意味、従来の少年向け作品における男女の役割を鮮やかにひっくり返した、象徴的な構図ともいえそうです。

ただし、原作に詳しいファンからは、テレビアニメだけを見ていると「タキシード仮面って役に立ってなくない?」という印象を抱きやすいものの、原作漫画の地場衛は活躍ぶりが異なるとの指摘も寄せられました。

あるユーザーによると、原作版のタキシード仮面こと地場衛は年齢が若く、アニメ版よりも活躍の場が多いとのこと。さらに原作では、読心や治癒、念動力といった超能力も持っており、アニメ版ほど完全な「お姫さまポジション」ではないといいます。


リメイク版アニメ『美少女戦士セーラームーンCrystal』では、タキシード仮面に新たな技も登場。「バラを投げる以外に必殺技はないの?」と思っていたファンに、強烈なインパクトを残しました。

もちろん、今回の話題はファンが作品を振り返り、愛のあるツッコミを楽しんでいるもの。タキシード仮面の役割が、実際に「バラを投げるだけ」というわけではありません。地場衛は月野うさぎにとって欠かせない存在であり、戦闘への参加だけでなく、彼女を守り、支え、その意志を強くする役割も担っています。特に重要な戦いでは、「大切な人を守りたい」という思いそのものが、月野うさぎの力の源にもなっています。
今回の盛り上がりは、久しぶりにアニメを見返したことで、戦闘シーンでのタキシード仮面の活躍と、「ミステリアスでカッコいい王子さま」というイメージの間に、想像以上のギャップがあると気付いたことから生まれたもの。子どもの頃は「カッコいい!」と憧れ、大人になると「また捕まってる……」と気付き、最終的には「彼こそヒロイン」という結論にたどり着く――。世代を超えて愛のあるツッコミが続くことも、タキシード仮面が今なお語り継がれる名キャラクターである証拠なのかもしれません。