女性声優が少年役を演じる機会は減少中? 男性声優への交代、その背景にある市場事情をX・SNSで議論

アニメでは、少年キャラクターを女性声優が演じることも珍しくありません。『ドラゴンボール』の孫悟空、『NARUTO -ナルト-』のうずまきナルト、『名探偵コナン』の江戸川コナンなど、おなじみのキャラクターも数多くいます。

そんな中、少年役を男性声優が担当するケースが増えているとの投稿をきっかけに、「女性声優による少年ボイスは減っているのか」というテーマがX・SNS上で話題となりました。

注目を集めた投稿者は、これまで女性声優が演じてきたような少年役を、男性声優が担当する傾向に疑問を呈し、「これはいったい誰のためなんだ……」と率直な思いをつづっています。

投稿にはさまざまな立場から意見が寄せられ、議論は声の演技だけでなく、声優のキャスティング、女性向け作品のマーケティング戦略、リアルイベントを見据えたビジネス事情にまで広がりました。

女性声優が演じる少年ボイスには独特の魅力がある、という声は少なくありません。特に声変わり前の少年役では、あどけなさ、かわいらしさ、カッコよさを同時に表現でき、単に声を高くするだけでは再現できない味わいがあるといいます。

女性声優による少年役には、カッコいいキャラクターでも、まだ大人になりきっていない少年らしさを残せる独特の空気感があるとの意見も。一方、すでに声変わりを終えた男性声優の場合、声色を工夫しても成人男性らしい響きが感じられることがある、という指摘も見られました。

議論では、野沢雅子さんが演じる『ドラゴンボール』の孫悟空、竹内順子さんが演じる『NARUTO -ナルト-』のうずまきナルト、高山みなみさんが演じる『名探偵コナン』の江戸川コナンなど、名演として知られる例も続々登場。女性声優が少年役を演じる作品は、多くの視聴者にとって共通の思い出になっているとの声が上がりました。

その一方で、男性声優が少年役を演じることに問題はないという意見もあります。少年役をこなせる男性声優が増えたことで、声の表現やキャスティングの幅が広がったと歓迎する声や、少年キャラクターなのだから男性声優が演じても不自然ではない、という声が寄せられました。

男性か女性かという性別だけで、役に合っているかどうかを決めるべきではないとの意見も。現実の少年少女も、アニメでおなじみの声や口調で話すとは限りません。結局のところ、個人の好みやキャラクターとしての完成度が大切だというわけです。

また、女性声優が長期にわたって少年役を演じ続けることに疑問を抱く人もいました。キャラクターが成長して声変わりの時期を迎えたなら、声も変化するのが自然ではないかという意見で、『ドラゴンボール』の孫悟空や『ONE PIECE』のモンキー・D・ルフィなどが例として挙げられています。

声の表現とは別に、声優業界のビジネスモデルに注目する意見もありました。

一部の作品が少年役に男性声優を起用する背景には、女性向け市場や声優が出演するリアルイベントが関係している可能性があるとの見方です。グッズを購入したり、声優イベントへ足を運んだりするファンにとっては、声優本人の性別やイメージも消費行動を左右する要素になり得るといいます。

女性向け作品では、声優によるトークイベントやステージイベントなどが開催されることもあります。男性声優をアイドル的に売り出す展開も、作品を盛り上げるプロモーションのひとつ。そのため、少年キャラクターを男性声優が演じることで、作中のキャストとイベント出演者をそろえやすくなるのではないかとの声も上がりました。

今回の議論からは、少年キャラクターの声に対する期待が人それぞれであることもうかがえます。女性声優ならではのあどけなさや声質を重視する人もいれば、男性声優による少年ボイスを好む人、キャラクターの成長後は男性声優へ交代したほうがよいと考える人もいました。

往年の名作から近年の作品まで、少年役のキャスティングにはさまざまな形があります。声優の性別、キャラクターの年齢設定、声の表現、そして作品が求める方向性。そのすべてが視聴者の印象を左右します。「少年キャラクターには、どんな声が一番似合うのか」というテーマは、これからもアニメファンの間で語られ続けそうです。