怪獣とアートソフビの均衡点、手放せなくなる病的な美しさ

イラストレーター、ゲームアーティスト、デジタルクリエイターなど、多方面で活躍し、自身も玩具を愛する台湾の漫画家-草神氏。過去に何度も玩具の造形デザインを手掛けてきましたが、今回ついに「トイデザイナー」として、トイデザインチーム Infinity Toy と協力し、初の個人ソフビ怪獣《蠅魔》をリリースしました。

実は昨年末、すでにTTF(台北トイフェスティバル)にて8cmの記念フィギュアとしてお披露目されていました。当時はまだデザインコンセプトが公開されていませんでしたが、モンスター、メカ、そしてキャラクター造形に情熱を注ぐ草神氏は、無彩色の状態でありながらも「人間」と「ハエ」の結合を、様々なディテールを用いて高い親和性をもって表現していました。

△ミニ記念フィギュア

実のところ、この怪物の構成は珍しいものではありますが、決して初めて登場したわけではありません。日本のSFの父、海野十三が1937年に発表した短編推理小説《蠅男》から、デヴィッド・クローネンバーグ監督が1986年に手掛けたSFホラー映画《ザ・フライ》(The Fly)に至るまで、その地位は、広く知られている狼男や吸血鬼などと同様に、クラシックモンスターの系譜に連なるものです。

△映画『ザ・フライ』のスチル写真

今回、草神氏が手掛けた《蠅魔》は、過去のハエ男のイメージを刷新しています。人間の肉体の占める割合をさらに引き上げ、腐肉を思わせるカラーリングを昆虫の外骨格や口器に施しています。また、ハエの透明な翅と複眼は、ソフビ素材そのものの半透明感を利用して表現。複眼のベースにはシルバー塗装が施され、光を反射する効果を生み出しています。細部にまでこだわり抜くことで、SFモンスターのリアリティを高め、まるで実在する生物を再現したかのようです。怪獣ソフビの沼に引きずり込もうとするかのような逸品、興味のあるトイファンはぜひお見逃しなく。

△半透明の翅

△透明な複眼とベースカラーによる反射効果

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