
ピクサー映画『インサイド・ヘッド2』は世界的に大成功を収め、新たな感情のキャラクター「シンパイ」も、本作で最も注目を集めるMVPとなった。しかし、このピクサーの「近年最高の続編」を手がけた監督と脚本家が、前作とは異なることをご存知だろうか。
『インサイド・ヘッド2』の脚本家デイヴ・ホルスタインはベテラン脚本家でありながら、今回がピクサーでの初仕事だった。彼は先日、『The Hollywood Reporter』にコラムを寄稿し、自身の「ピクサーデビュー作」がまさに不安な気持ちでいっぱいだったことを告白。しかし、最終的には「喜び」の心ですべてに立ち向かうことを決意したという。

ホルスタインは、この続編の脚本執筆は特別な挑戦だったと語る。前作『インサイド・ヘッド』が個人的に大好きな映画であるだけでなく、世界中で計り知れないほどの栄誉を獲得した作品だからだ。ホルスタインは6年前に『2分の1の魔法』の脚本家面接を受けたものの、他のプロジェクトとのスケジュールが重なり断念した過去を明かした。そして今回、再びピクサーに戻り、(同じくスケジュールの都合で降板した)前作の脚本家メグ・レフォーヴから続編の重責を引き継ぐことになった。
ホルスタインは、ピクサーに足を踏み入れた当初の不安感は、成功への高いハードルに対する恐怖から来ていたと振り返る。「僕は繰り返し自問自答しました。『この映画が成功する唯一の方法は、ある意味で前作より完璧でなければならないのか? 興行収入で10億ドルを突破する必要があるのか? ピクサーファンを再び劇場に呼び戻さなければならないのか? 笑わせて、泣かせて、79分という上映時間の中で、自分が必要だとも思っていなかった人生の真理に答えを出さなければならないのか?』とね」
これらの問いは、創作過程で彼を苦しめ続けた。前作の高いハードルに立ち向かうだけでなく、物語における「喜び」の真の意味を見つけ出さなければならなかったからだ。ホルスタインは自身の人生の中に答えを探した。彼は、この1年で義父や祖父母を亡くすという辛い経験をしたことに触れ、これらの経験が彼に「大人になると、喜びに何が起こるのだろう?」と考えさせたと語る。

創作の過程で、ホルスタインは「喜び」は必ずしも選択肢ではないが、選択から始まるものだと気づいた。私たちが成長するにつれて喜びは減るのではなく、より貴重なものになる。なぜなら「喜びを選択するには努力が必要」だからだ。彼はそのことを監督のケルシー・マンの姿に見た。プレッシャーに対して喜びをもって向き合うことを選んだ彼の姿勢は、ホルスタインに大きなインスピレーションを与えた。
ホルスタインは、観客に『インサイド・ヘッド2』から受け取ってほしいのは、脚本執筆中の「不安」ではなく、チームがこの映画を完成させた時の「喜び」だと締めくくった。そして、観客が劇場を後にする時、自分自身の喜びや不安を見つめ直し、「彼らは元気にしているだろうか?」と問いかけてみてほしいと願っている。
via: THR