「ハルクVSウルヴァリン」は一度きりじゃない?コミックで繰り広げられた壮絶な対決の歴史を振り返る


※この記事は、『デッドプール&ウルヴァリン』のネタバレを含みます。ご注意ください。※
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すでに劇場で『デッドプール&ウルヴァリン』(Deadpool & Wolverine)を鑑賞したファンにとって、劇中にカメオ出演した懐かしのキャラクターたちの登場は感動ものだったが、中でも一瞬だけ映し出された「ハルクVSウルヴァリン」の対決シーンは、多くのファンを熱狂させ、この短いバトルがいつかスクリーンで実現することを願わずにはいられないだろう。

しかし、実はマーベル・コミックスの原作において、「ウルヴァリン」と「ハルク」という2人のヒーローが拳を交えた回数は数え切れないほどある。ウルヴァリンがハルクの個人誌で初登場して以来、『What If...?』シリーズや『アルティメット・マーベル』といったパラレルワールドでも、彼らの戦いを目にする機会は度々あった。

そこで今回は、ウルヴァリンの初登場から、様々なマルチバースで繰り広げられた『ハルクvsウルヴァリン』のクラシックな対決までをまとめてみた。もしリストに漏れがあれば、ぜひ補足してほしい。


【ウルヴァリン初登場、ハルクと激突】

「ウルヴァリン」が初めて姿を現したのは、1974年10月の『インクレディブル・ハルク』#180。カナダの超人部門の指示を受け、ウェンディゴを倒すためケベックの荒野におびき出されたハルクを阻止するために派遣された。そして同誌の#181で、2人は森の中で激しい戦いを繰り広げることとなる。

幸いにも、ハルクがウルヴァリンもまたウェンディゴの敵であることに気づくと、彼らは一時的に衝突を止め、共通の敵を倒すために協力。この短い共闘が終わると、2人は再び対決状態に戻った。

この戦いは、当時の「コミックス倫理規定委員会(Comics Code Authority、略称CCA)」の規制により、後のコミックのような過激な暴力描写はなかったものの、2人のヒーローの対決における画期的な出来事となり、両キャラクターの未来に大きな影響を与えた。



【もしもハルクのパワーが、ウルヴァリンを殺せるほどだったら?】

1993年6月発行の『What If?』Vol 1 #50に掲載されたこの物語は、「もしもハルクがウルヴァリンを殺したら?(What If Hulk Killed Wolverine?)」というデカデカとしたタイトルがすべてを物語っている。その名の通り、このifの世界では、ウルヴァリンがハルクとの対決で命を落としてしまう。ウルヴァリンを失ったX-MENは、自分たちよりもはるかに巨大なハルクとの戦いを余儀なくされる。

戦いの最中、ハボック、ミスティーク、アバランチ、ブロブ、パイロ、スーパーセイバーらが次々と命を落とし、夜が明けてハルクがブルース・バナーの姿に戻ったところで、政府に逮捕・拘留されるという結末を迎える。

特筆すべきは、後の『インクレディブル・ハルク』#340でも、ハルクが戦いの中でウルヴァリンに致命的な一撃を与えていることだ。この出来事は、ウルヴァリンが驚異的な治癒能力を持っていても、十分なダメージを受ければ死に至る可能性があることを示すと同時に、X-MENに大きな打撃を与えた。


【ハルク vs オールドマン・ローガン】

オールドマン・ローガンが『シークレット・ウォーズ』を経て復活した後、マーベル・コミックスは新たな個人誌『オールドマン・ローガン』をスタートさせた。ハルクとの戦いは、2016年2月10日発売の『オールドマン・ローガン』Vol 2 #2で描かれている。

物語は、ローガンの家族がハルク・ギャングによって傷つけられた後、オールドマン・ローガンがブルース・バナーを探し出し、彼の弱点を執拗に攻め立てるというもの。家族がいつ殺されるか分からないという危機を、この対決で終わらせようとしたのだ。

しかし、オールドマン・ローガンが対峙していたのは、彼が知るハルク「ブルース・バナー」ではなく、新たなハルクである「アマデウス・チョ」だった。人違いで戦いを挑んでいたことに気づき、この対決は中止となった。



【アルティメット・ユニバース:ウルヴァリン vs ハルク】

この対決の舞台は「アルティメット・ユニバース」。2005年12月から2009年5月にかけて連載された全6話のミニシリーズ『アルティメット ウルヴァリン VS. ハルク』で、ウルヴァリンとハルクの新たな戦いが描かれた。

物語は、いきなり両脚を失い上半身だけになったウルヴァリンが登場するという衝撃的なシーンから始まる。ストーリーを追うごとに、事の真相が徐々に明らかになっていく。ブルース・バナーは死亡したとされていたが、その後世界各地でハルクに似た生物が出現。この状況を調査するため、ウルヴァリンはS.H.I.E.L.D.の任務を受けハルクを攻撃するが、返り討ちにあい体を真っ二つに引き裂かれ、「どっちの脚から食ってやろうか」と嘲笑されるのだった。


【ブルースおじさんを起こさないで】

これまでの凶暴な戦いとは少し毛色が違う、2002年4月発行の『ウルヴァリン/ハルク』Vol 1で描かれたユニークなエピソードだ。雪山で任務を遂行中のウルヴァリンは、足を滑らせて気絶してしまう。目を覚ますと、そこは洞窟で、一人の少女と眠っているハルクがいた。

しかし、ウルヴァリンに起こされたハルクはご機嫌斜めで、いきなり彼を殴り飛ばす。少女は親しげにハルクを「ブルースおじさん」と呼ぶが、それでも怒り狂うハルクをなだめることはできない。

ウルヴァリンは武力を使わずにハルクを説得しようと試みるが、その方法は通用しない。結局、近くにあった飛行機の残骸を利用して怒れるハルクと戦うことで、ようやく緑の巨人を鎮め、ブルース・バナーの姿に戻すことができた。


【ワールド・ウォー・ハルク】

アイアンマン率いる「イルミナティ」によって宇宙へ追放されたハルクは、燃え盛る怒りを胸に惑星サカールから地球へ帰還し、自分を追放したヒーローたちへの復讐を開始する。この世紀の戦いの中で、ハルクはイルミナティのメンバーだけでなく、追放の決定に関与しなかったプロフェッサーXのもとを訪れ、彼もまたその決定に同意したのかを問いただした。

失望する答えを得たハルクがプロフェッサーXに手をかけようとしたその時、X-MENが復讐劇に割って入る。その中にいたウルヴァリンもアダマンチウムの爪を抜き、怒れるハルクと一進一退の攻防を繰り広げた。戦いは森の中へと続き、「お決まりの対決」が再び始まる。しかし、ハルクがウルヴァリンの頭を容赦なく殴りつけたことで、ジャガーノートが割って入るまで、彼は死の淵をさまようことになった。