ゾンビ対策で防災意識向上! 青森県八戸市が「対ゾンビ避難訓練」を実施、ネットで話題に

「ゾンビ」と聞くと、ゲームや映画でおなじみの架空の存在を思い浮かべる方が多いでしょう。この手のファンタジー生物は、昔から創作の面白いテーマとして親しまれています。アニメ『ゾンビランドサガ』や、韓国映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』、そして人気ゲーム『バイオハザード』シリーズのT-ウイルス感染者など、記憶に新しい作品も多いはず。

そんな中、青森県八戸市で10月末に開催された総合防災訓練に、なんと「対ゾンビ避難訓練」なる項目が登場し、多くのネットユーザーが「マジかよ!」「どんな訓練だよ」と驚きの声を上げています。

▼ 防災演練中明確出現「對殭屍避難訓練」的項目

八戸市災害対策課の担当者によると、この「対ゾンビ避難訓練」は、2021年秋に市議会議員から提案されたものだそうです。アメリカでの先行事例を参考に、八戸市でも同様の訓練を実施してみてはどうか、というアイデアがきっかけでした。

アメリカ国防総省は、軍事計画や治安維持の基本概念を教えるために、「CONOP8888」という訓練計画を考案したことがあります。これはゾンビを題材にすることで、実際の計画と混同されるのを避けるのが目的でした。また、イリノイ州では2017年に10月を「ゾンビ防災月間」と定め、住民に自然災害や緊急事態への対応知識を学び、水や食料などの必要物資を備蓄するよう呼びかけました。公式は「ゾンビ災害に備えれば、自然災害にも備えられていることになる」と強調。つまり、ゾンビはあくまで住民の興味を引くためのフックであり、真の狙いは防災意識の向上にあるというわけです。

ゾンビ題材は日本ではそこまでメジャーではありませんが、八戸市はこのユニークなコンセプトで住民の関心を引きつけつつ、実際の災害対応を核に据えたいと考えました。そこで綿密な議論を重ねた結果、市は独自の「対ゾンビ避難訓練」を考案し、年間の防災訓練に組み込むことにしたのです。

訓練は寸劇や状況設定対話形式で行われ、参加者はそれを見て学びます。巧妙なのは、この訓練の主役が大人ではなく子どもたちである点です。なぜなら、状況によっては子どもが一人で対応しなければならないケースも考えられるからです。判断力不足でパニックに陥ると、避難の遅れや怪我につながる可能性もあります。そこで、大人の指示がなくても子どもたちが自ら迅速に避難行動を取れるよう、子ども主導のシナリオが特別に組まれました。ゾンビという題材を用いることで、子どもたちの参加意欲を刺激するだけでなく、シミュレーションを通じて自主避難のスキルを学ぶ機会を提供し、より教育的な意味合いを持たせているわけです。

現在、八戸市の「対ゾンビ避難訓練」は、主に地元住民と防災機関を対象としており、市外住民は参加できませんが、傍聴は可能です。このように、面白さと実用性を兼ね備えた革新的な訓練が、今後より多くの地域に広がり、防災意識向上の一助となることを期待したいですね。

確かに、このアプローチはとかく退屈になりがちな防災訓練を面白くし、子どもたちが防災意識を集中して学ぶきっかけになります。

▼ 八戸市の「対ゾンビ避難訓練」は、やはりネットでも注目を集めているようです。

via: おたくま経済新聞