「推し活遠征」の新定番に? 国交省が推進の「フルフラット夜行バス」に「奴隷船みたい」と賛否両論

日本国内の移動手段は多岐にわたりますが、特に長距離の移動では、経済的な理由からバスを選ぶ人も少なくありません。

そんな中、国土交通省が「フルフラットシートの夜行バス」(完全に横になれる夜行バス)の安全に関するガイドラインを策定し、話題を呼んでいます。これは座席がベッドのように完全に平らになるバスで、長距離移動をより快適にしてくれる新たな選択肢です。昨今のホテル価格の高騰を受け、アイドルやアニメキャラクターを応援するために都市間を移動する「推し活遠征」で、宿泊費を節約するために夜行バスを選ぶ若者が増えており、こうした需要に応える動きと見られています。

これまで、日本では厳しい安全基準のため、こうしたフルフラットシートの実現は難しいとされてきました。しかし、長距離夜行バスの快適性に対するニーズの高まりを受け、国土交通省が「フルフラットシートを有するバス」の安全指針を策定。まずは四国の高知市と東京を結ぶ夜行高速バスで、3月から試験的に導入されることが決定しています。

完全に横になれるという点については、特に夜行バスを頻繁に利用する層から「快適そう」「これはありがたい」と期待の声が上がっています。しかしその一方、個室のようなデザインが「棺桶みたい」に見えるという意見や、「寝返りが打てないと、かえって安眠できないかも」と心配する声も。また、現時点では「東京発着便」のみの予定であるため、「推し活遠征」での活用を期待するファンからは、今後の全国的な展開を望む声が寄せられています。

さらに一部のネットユーザーからは、17~18世紀の大西洋三角貿易で使われた「奴隷船」を彷彿とさせるとの辛辣なツッコミも。「嫌いじゃないけど、そう言われるとちょっと…」と、複雑な心境を覗かせるコメントも見られました。

他のユーザーからは、「ベトナムの寝台バスは快適だったから、日本の技術ならもっと良いものが作れるはず」と、海外の事例を参考にさらなる改善を期待する声も上がっています。

もちろん、安全性を懸念する声も少なくありません。万が一車両が横転するような事故が起きた場合、被害が拡大するのではないかという指摘です。また、夜行バスの魅力である価格の優位性を維持できるのか、そして日本が抱える深刻なバス運転士不足の問題の中、この特殊な車両を運転できる乗務員を確保できるのか、といった現実的な課題も挙げられています。

とはいえ、移動の新たな選択肢が増えるのは歓迎すべきこと。快適性と安全性、そしてコストパフォーマンスのバランスをいかにして両立させるかが、今後の普及に向けた大きな鍵となりそうです。

via: posfie