今期大注目のアニメ『メダリスト』。フィギュアスケートという珍しい題材ながら、放送開始から多くの視聴者を魅了し、あの羽生結弦選手も絶賛するほど。
しかし、その優雅さとは裏腹に、フィギュアスケートは子どもを習わせる親にとって、とんでもない負担を伴うもの。先日、日本のX(旧Twitter)では、かつて娘さんにフィギュアスケートを習わせていたものの、あまりの負担に断念せざるを得なかったという親御さんの体験談が話題になりました。

Xの投稿主であるお母さんによると、娘さんは以前フィギュアスケートを3年ほど習っていたそうです。始める時期は遅めだったものの、3歳からダンスを習っていたこともあり、運動神経は抜群。フィギュアの級テストもすべて一発合格だったとか。初級クラスの大会にも2回出場し、どちらも優勝するほどの実力だったといいます。しかし、この競技にかかる費用と精神的なプレッシャーは想像を絶するものだったようで、最終的にはお母さん自身が心身ともに限界を迎え、娘さんに諦めさせるしかなかったと語っています。
その後、18歳になった娘さんのために『メダリスト』のコミックス全巻を購入したそうですが、ご自身は冒頭を読んだだけで、もうそれ以上は進めなかったとのこと。「胸が締め付けられる思いで…。この先ずっと娘に申し訳ない気持ちを抱えて生きていくんだろうな」「本当にごめんね、あの世界は私たちには無理だったんだ……」と、その胸中を吐露しています。

実際、「フィギュアスケート」は特殊な環境での練習が必要なため、習い事の中でも特に費用がかかることで知られています。初心者向けのレッスンでも、月々2万~3万円はかかると言われていますし、本格的なプロ育成コースとなると、年間の学費だけで300万円以上はくだらないとか。
国際大会を目指すとなると、衣装代などの諸経費も加わり、総額で1,000万円を超えるケースも珍しくありません。さらに、親は早朝の練習送迎やリンクへの往復、日々のスケジュール管理など、金銭面だけでなく時間的・精神的な負担も膨大。この競技でトップを目指す選手は、文字通り「湯水のように」お金を注ぎ込まなければ継続は難しいのが現実です。

この投稿を見た多くのネットユーザーも、その苦悩に共感。「羽生結弦選手や荒川静香選手のようなトップアスリートは、本当に莫大な費用とサポートがあってこそなんだと改めて実感した」といった声が上がっています。
荒川静香選手の場合、お父様が公務員で、決して裕福ではなかったものの、お母様が夜なべして衣装を手作りするなど、両親の献身的なサポートがあったからこそ。両親ともにここまで深く関わり続けるのは並大抵のことではなく、途中で断念する家庭が後を絶たないのも頷けます。

ちなみに、『メダリスト』の作中でも、この金銭問題は非常にリアルに描かれています。メダリストになるのは裕福な家庭の子どもばかりという現実や、主人公・いのりのコーチである明浦路司も、お金がなくてスタートが遅れた天才として登場します。
コミックスでは、お母さんたちが前夜に集まって衣装を作ったり、深夜や早朝にリンクを貸し切って練習したりする描写もあり、親御さんたちの負担の大きさがひしひしと伝わってきます。

多くのネットユーザーからは、「野球、サッカー、バレーボール、バレエ、体操など、どんなスポーツでもトップを目指すなら、時間もお金も惜しみなく注ぎ込む必要がある」「子どもの習い事は、親の財力、時間、気力を根こそぎ奪うことを知っているから、あえてやらせないという選択をする親も少なくない」といった共感の声が寄せられています。
子どもの「好き」を応援するためには、親が多大な労力と財力を投入しなければならない。しかし、それが必ずしも報われるとは限らず、そもそも継続すること自体が至難の業。これは、子を持つ親にとって普遍的な悩みなのだと改めて考えさせられますね。
via: togetter