「ガンダムの父」として知られるアニメ監督の富野由悠季氏。御年83歳となった今もなお、その創作意欲は衰えることを知らず、アニメ業界のレジェンドとして君臨しています。ご自身で「体力的に創作できる時間は残り少ない」と語ることもありますが、『機動戦士ガンダム』シリーズへの関心は今も非常に高いようです。
そんな富野監督が昨日(7月8日)、都内で開催された宇宙産業フォーラム「SPACETIDE 2025」に登壇。しかし、その口から飛び出したのは「人類は宇宙には住めません」という衝撃的な一言でした。この発言は、監督自身が『機動戦士ガンダム』で描いたスペースコロニーの構想を真っ向から否定するものであり、昨今の「惑星移住計画」といったビジョンをも痛烈に批判。ネット上では大きな波紋を呼んでいます。

▼ このニュースは、日本のX(旧Twitter)でもトレンド入りするなど、大きな注目を集めました。

この日、富野監督はJAXA(宇宙航空研究開発機構)名誉教授の稲谷芳文氏との対談に臨みました。司会者が「会場には、子どもの頃に『機動戦士ガンダム』を見て宇宙に憧れた“富野チルドレン”とも言うべき方々がたくさんいらっしゃいます」と紹介し、会場は和やかなムードに包まれました。
しかし、マイクを握った富野監督は、そんな空気を一変させます。「火星に移住するとか言っている人たちは、宇宙の厳しさを全く理解していない。宇宙との本当の距離感が想像できていないんです」と厳しい口調で一喝。宇宙産業の専門家たちが集う会場は、水を打ったように静まり返ったといいます。さらに監督は、「ロケットで火星に行ったとして、帰りの燃料はどうするんですか?火星にガソリンスタンドなんてないでしょう。人を送るなんて妄想も甚だしい。そんなことを言うのはド素人ですよ!」と畳みかけました。

『機動戦士ガンダム』の世界では、増えすぎた人口を宇宙の「スペースコロニー」に移住させるという設定がおなじみです。しかし富野監督は、宇宙空間でのキャラクターの移動や生活をリアルに描くため20年間も考察を重ねた結果、「人類は宇宙では生活できない」という結論に至ったと告白。「『ガンダム』を制作していた当時は、こんなことは口が裂けても言えませんでしたけどね」と、衝撃の事実を明かしました。
この一連の発言に対し、ネット上では「富野監督は宇宙開発の専門家ではない」「現状を理解せずに、夢を追いかける専門家たちの努力を否定するのはいかがなものか」といった批判的な意見が噴出。「専門外が専門家を語るな」「まさに机上の空論」など、厳しい声が相次いでいます。


アニメ界の巨匠が宇宙開発の未来を断じるという構図は、確かに専門性を欠くとの指摘ももっともかもしれません。富野監督が時事問題について持論を展開し、物議を醸すのはこれが初めてではありませんが、主催者側もこの展開は予想外だったのではないでしょうか…。
via: 產經新聞