アプリのリリース以来、アニメやグッズ展開も絶好調で社会現象を巻き起こしたCygamesの『ウマ娘 プリティーダービー』。今年でアプリも4周年を迎え、本作をきっかけに競馬に興味を持ったという方も多いのではないでしょうか。そんな『ウマ娘』ですが、先日リリースされたSteam英語版が、ここに来て欧米圏で新たなブームを巻き起こしているようです。
このブームをきっかけに、多くの海外トレーナーたちがウマ娘「ハルウララ」の物語に触れました。そして、モデルとなった競走馬の境遇を知り、心を動かされた海外ファンたちが、引退馬を支援するためにネット上で牧草を寄付する活動を開始。この動きは牧草の販売業者も驚くほどの広がりを見せ、大きな話題となっています。

ここで、モデルとなった競走馬「ハルウララ」についておさらいしておきましょう。現役時代の戦績は113戦0勝。しかし、連敗しても懸命に走り続けるその姿から「負け組の星」として絶大な人気を博し、社会現象にまでなりました。その不屈の精神は多くの競馬ファンを魅了し、2016年にはアメリカのMickey Duzyj監督によってドキュメンタリー映画『The Shining Star of Losers Everywhere』が制作され、トロント国際映画祭で短編ドキュメンタリー賞を受賞するほど、海外でも知られる存在です。
ゲームの『ウマ娘』でも、その史実を反映して初期ステータスやスキルは控えめに設定されており、目標レースである有馬記念を勝たせるのは至難の業。しかし、たとえレースで最下位に終わっても、手を振りながら楽しそうに走る彼女の姿……。そんな勝敗を気にせず、走ること自体を楽しむ天真爛漫なキャラクターが、多くのトレーナーたちの心を掴んで離さないのです。

ハルウララの魅力にどっぷりハマってしまった欧米のトレーナーたち。しかし、公式の支援団体である「春うららの会」は現在、会員数が定員に達しており新規募集を停止しています。そこで彼らが目を付けたのが、引退馬支援団体「生牧草バンク」でした。このサービスを通じて寄付を行うことで、現在牧場で余生を過ごしているハルウララに、高品質な国産牧草を届けることができるのです。
もちろん寄付には費用がかかりますが、ハルウララの物語に心を打たれた海外ファンの熱意は止まりません。大量の寄付が殺到し、一時はサイトが繋がりにくくなるほどの事態に発展しました。

7月13日午後3時の時点で、寄付された牧草の総量はなんと2400kgに到達。その勢いはとどまることを知らず、今も増え続けています。(日本の有志の集計によると、このうち海外からの寄付は400kgを超えると見られています)

この予想外の事態に、「生牧草バンク」の運営側も驚きを隠せない様子。海外から大量の寄付が寄せられていることに気づき、公式X(旧Twitter)で支援してくれたすべてのファンに向けて感謝のメッセージを発信。引退馬たちの健康を支える大きな力となっていることへの感謝を伝えました。
欧米圏でのハルウララブームとこの牧草寄付のムーブメントを受けて、ネット上にはファンアートも多数投稿されています。その多くが、山盛りの牧草を幸せそうに頬張るハルウララのイラストなのは言うまでもありませんね(笑)。





ちなみに、当のハルウララ本馬は現在、牧場で非常に穏やかで健康的な毎日を送っているとのこと。実際に見学に訪れたファンからも近況がシェアされており、「もし会いに行きたい場合は、必ず事前に予約をして牧場のルールを守り、ハルウララが安心して暮らせる環境作りに協力してほしい」と呼びかけられています。
Steam版はまだリリースされたばかり。日本でサービスが開始された当初の熱狂を思い出しますね。国は違えど、ウマ娘を育成する中で芽生える純粋な感動は万国共通のようです。モデルとなった競走馬への愛を、実際に行動に移して示す海外トレーナーたちの熱意には、本当に頭が下がります。