クレジットカードの表現規制問題、ご存知ですか? VISAやMastercardといった主要クレジットカードブランドが成人向けコンテンツの決済を停止したことで、DMM.com、DLsite、絶版漫画サービス「漫画図書館Z」、メロンブックスといった成人向けECサイトが影響を受け、こうした動きが広がりを見せています。
そんな中、デジタルゲームプラットフォームのSteamが突如、ゲームのコンテンツ審査ガイドラインを改訂。この新規定を過去にリリースされた成人向け(18禁)作品にも「遡及適用」した結果、大量のゲームが強制的にストアから削除される事態が発生しました。この一件は、日本のネットコミュニティだけでなく、今や国際的なホットトピックとして注目を集めています。

7月16日、Steamはプラットフォームのコンテンツ審査ガイドラインを公開更新し、「特定の種類の成人向けコンテンツ」を制限すると明記しました。この新規定が発表されるやいなや、早速大量のゲームが削除され始め、翌17日には、さらに多くの成人向けゲームやDLCがSteamプラットフォームから姿を消しました。
第三者サイト「SteamDB」でゲームの変更履歴を確認すると、続々と成人向けゲームが「Retired(退役)」または「Remove from store(ストアから削除)」とマークされているのが分かります。削除対象となっているのは、主に日本、中国、韓国といったアジア地域のデベロッパーが開発した成人向けゲームが多いようです。

現時点では、この一連の削除がどのようなメカニズムで実行されたのか、公式な説明はありません。しかし、現状を見る限り、Steamの開発元であるValveが先日更新したコンテンツガイドラインに基づいたものか、あるいはクレジットカード決済業者からの「名指しによる圧力」を受けて、自主的に削除を進めている可能性が高いと見られています。これは、以前日本のプラットフォームでも発生した「決済業者が特定の性的暴力や倫理的に問題のあるコンテンツに介入し、制限をかけた」状況と酷似しています。

この一連の騒動は、海外のプレイヤーたちにもある事実を突きつけました。それは、VISAやMastercardといったクレジットカード会社が、オンラインコンテンツに対して「見えない審査メカニズム」を既に持っており、そのメカニズムがカード決済の可否や、ひいてはゲームの存続にまで影響を与えている、という現実です。
この件に対し、XのCEOであるイーロン・マスク氏も、X上でとあるニュースに反応しました。そのニュースとは「">Visa JapanのCEOが、成人向けゲームのカード決済禁止はブランドイメージ維持のためと発言」という内容。マスク氏はこれに対し、「うーん……Xは本当に独自の決済サービスを早急に立ち上げる必要があるな」とコメントし、こうした審査を回避するための独自の決済プラットフォーム設立も辞さない構えを示唆しました。ちなみに、マスク氏はゲーム愛好家であるだけでなく、「PayPal」の創業者の一人でもあります。
主な原因が何であれ、このクレジットカード決済に端を発したコンテンツ審査の論争は、もはや日本の問題に留まらず、世界中のプレイヤーとクリエイターの間で大激震を巻き起こしています。特に、この騒動が世界最大のゲームプラットフォームの一つであるSteamを巻き込んだことで、国際的なゲームコミュニティも「決済機関によるコンテンツ審査への介入」が創作の自由にもたらす現実的な脅威を真剣に受け止め始めています。