「残酷な天使のテーゼ」作詞家・及川眠子氏、許諾の“礼儀”語るも「曲を適当に作ってる」との誤解に反論

歌詞はうろ覚えでも、メロディを聴けば思わず口ずさんじゃう! 高橋洋子さんが歌う『新世紀エヴァンゲリオン』のオープニングテーマ「残酷な天使のテーゼ」は、もはや“国民的アニソン”と言っても過言ではない存在感ですよね。

この楽曲の作詞家である及川眠子さんが先日、X(旧Twitter)で音楽クリエイターの楽曲使用許可申請について言及しました。彼女は「原作者への礼儀は、どんな権利問題よりも大事。それが分からないプロのクリエイターや会社は、完全に失格。」と投稿。具体的な件名には触れていないものの、最近話題になったアニメ『ダンダダン』の挿入歌〈Hunting Soul〉を巡る騒動への言及ではないかと推測されています。

及川さんは、過去に『残酷な天使のテーゼ』をオマージュ(あるいはパロディ)した楽曲があった際のエピソードを紹介。その映画の音楽監督を務めた鷺巣詩郎さんが、作詞家、作曲家、編曲家はもちろん、音楽出版社、レコード会社、アニメ制作会社にまで、自ら連絡を取って許諾を得たといいます。

及川さんは、これは鷺巣さんの職務範囲を超えた行為だったものの、クリエイターへのリスペクトの表れだとし、「法律的な手続きよりも礼儀が大切」とコメント。さらに、「商業音楽においては、この礼儀を重んじなければプロとは言えない」と強調しました。

しかし、この発言に対し、ネットユーザーからは「『礼儀』と『法律・行政手続き』を混同し、それで他者を『失格』と断じるのは、業界内の閉鎖的な『村社会』化を招くのでは?」といった疑問の声も上がりました。プロの仕事は法的手続きが正しければ問題なく、特定の「業界内のしきたり」を強制すべきではない、との意見です。

また、及川さんが過去に「残酷な天使のテーゼ」の歌詞をわずか2時間で書き上げた、と公言したことについても、「作品を軽視している」と一部のファンから批判的に受け止められていた、との指摘もありました。

これに対し、及川さんはSNSで「適当に作ったなんて一言も言ってない。手が早かっただけ。勝手に脳内変換しないで」と反論。「礼儀や義理を欠いていたら、40年も業界で生き残れるわけがない」と強調しました。

さらに、「新世紀エヴァンゲリオン」を観ていない、という外部からの疑問にも言及。制作当時はアニメが未完成だったため、企画書と早送りで観た最初の2話の生フィルムだけで、作品内容に深く合致する歌詞を完成させたとし、「これが技術と直感」と自負。決して作品を貶める意図はなかったと説明しています。

(注:過去に及川眠子さんが『新世紀エヴァンゲリオン』を一度も観たことがないと公言しているのは事実です) 

多くのファンも彼女を擁護。「短時間で完成させたからといって、決して手抜きではない。長年の経験とインスピレーションが凝縮された結果だ」と主張しました。中には「魂のルフラン」など、その後の作品を例に挙げ、「天才作詞家」と称賛する声も。

また、作曲家すぎやまこういちさん(『ドラゴンクエスト』シリーズの楽曲で知られる)や、他の音楽家の言葉を引用し、「創作時間の短さは品質の低さに直結しない」と強調するネットユーザーも。「これは数分と数十年の人生の作品である。」という名言を挙げていました。

楽曲の使用許可における「礼儀」についての発言が、まさか自身のプロフェッショナル性や過去の作品への評価にまで波及するとは、及川さんの素早い反応も相まって、思わぬ展開となりましたね…。

via: togetter