アニメ好きの皆さんなら、キャラクターに命を吹き込む声優さんたちのことはよくご存知ですよね。でも、そのお仕事の裏側、特にアフレコで使う「台本」については、意外と知られていないことが多いんです。実はこの台本、業界ではトップシークレット扱いの超重要アイテムなんですよ。
最近、TOKYO FMの深夜ラジオ番組『TOKYO SPEAKEASY』に、『呪術廻戦』の五条悟役でおなじみの人気声優・中村悠一さんが出演。声優の仕事における「台本」の重要性について語り、その内容がネットで大きな話題となっています。

この日の放送では、中村さんと共にお笑いコンビ・よゐこの有野晋哉さんも登場。声優の仕事についてトークが弾む中、過去にゲスト声優の経験がある有野さんがこんなエピソードを披露しました。
「バラエティ番組の台本ってペラペラで、特に何も書き込まないから収録が終わったら楽屋に置いて帰ってたんですよ。そしたら20代の頃に『クレヨンしんちゃん』にゲストで出させてもらった時、いつもの調子で台本を置いて帰ろうとしたら、(しんのすけ役の)矢島晶子さんに『有野さん、ちょっといいですか?声優の世界では台本はすごく大事なものなので、置いていかずにちゃんと持って帰ってくださいね』って言われて。『え、そうなんですか!』ってビックリしました。そこで初めて知りましたね。」
でも、なぜ声優は必ず台本を持ち帰らなければならないのでしょうか? その理由が気になりますよね。
この疑問に対し、中村さんが業界の事情を説明してくれました。「台本の処理って、本当に大変なんですよ。昔、専門の業者に溶解処理を頼んだら、それが流出してしまったっていう事件があったらしくて…。かといって処分しないと、どんどん溜まって家が埋まっちゃう。特にアニメの台本って分厚いですからね。だから僕は、自分でシュレッダーを買ってきて、ガーッと裁断してます。」
これには有野さんも「事務所とかスタジオでまとめて処理してくれないんですか?」と疑問を口に。しかし中村さんによると、万が一にも情報が漏れたら大問題になるため、業界では基本的に「自己責任で処分」が暗黙のルールになっているとのこと。特に、台本には1冊ずつ管理番号が振られており、誰に渡されたものか一目瞭然。もし流出すれば、すぐに誰のものか特定されてしまうそうです。

この話を聞いたネットユーザーからは、「なぜ事務所が代行してくれないのか」と不思議がる声も上がりました。しかし、実際問題として声優さんが受け取る台本は非常に分厚く、家庭用のシュレッダーで処理するのは一苦労。かといって、事務所が業務用シュレッダーを導入するのもコストがかかるため、結果的に「各自でよろしく!」となっているのかもしれませんね。

また、往年のファンからは、『機動戦士ガンダム』でブライト・ノア役を演じた故・鈴置洋孝さんが、当時のガンダムの台本をすべて自宅に保管していると語っていた、というエピソードも。台本には未公開のストーリーだけでなく、声優さん自身の書き込みやメモといった個人情報も含まれているため、その取り扱いには細心の注意が必要なんですね。

とはいえ、中村さんのような超人気声優ともなると、年間で数十本もの作品に出演することも珍しくありません。一体どれだけの台本が自宅に眠っているのか…ファンとしてはちょっと気になっちゃいますね(笑)。
via: togetter