任天堂と株式会社ポケモンが、Pocketpair開発のゲーム『パルワールド』を相手取って起こした特許侵害訴訟に、新たな動きがありました。
海外メディア『GamesFray』の報道によると、日本の特許庁が、任天堂の出願した「モンスター捕獲」に関する特許について「進歩性がない」として拒絶する判断を下したとのこと。この決定はまだ最終的なものではありませんが、現在進行中の『パルワールド』をめぐる訴訟において、任天堂側に不利に働く可能性が指摘されています。
この訴訟は、2024年9月に任天堂と株式会社ポケモンがPocketpairを提訴したことに端を発します。訴えの内容は、『パルワールド』のゲームシステムが「モンスターの捕獲・解放」や「キャラクターの騎乗」に関連する3つの特許を侵害しているというもの。これらの特許はいずれも2024年に特許庁によって登録されたもので、一部は2021年の出願を元にしていることから、いわゆる『パルワールド』対策として用意された「分割出願」ではないかと見られていました。
しかし、そのうち2024年に出願された特許(特願2024-031879)が、いまだ承認されていませんでした。特許庁は10月、この出願に対して「進歩性(inventive step)がない」と指摘し、暫定的に拒絶する非最終決定を下したのです。
審査官は拒絶の理由として、複数の既存ゲームを例に挙げています。具体的には『ARK: Survival Evolved』や『モンスターハンター4』、ブラウザゲームの『艦隊これくしょん -艦これ-』などに、類似の捕獲システムが既に存在することを指摘しました。
なんとも皮肉なことに、この判断の根拠には『パルワールド』開発元であるPocketpairの過去作『クラフトピア』や、何を隠そう任天堂自身の『Pokémon GO』までもが、先行事例として挙げられています。
今回の決定はあくまで暫定的なもので法的な拘束力はありません。しかし、問題の特許は、任天堂が訴訟の根拠としている主要な2つの特許(特許第7505852号、特許第7545191号)と密接に関連しているため、訴訟の根幹を揺るがしかねない、と見られています。
この状況について、知財コンサルタントのFlorian Mueller氏は、「日本の特許庁が、単なる特許文献だけでなく、実際のゲームを比較対象としたことで、任天堂の立場はより一層厳しいものになった」と分析しています。
もし最終的にこの特許が拒絶されれば、Pocketpair側はこれを追い風に、「『パルワールド』のモンスター捕獲システムは盗作ではなく、過去10年以上にわたって多くのゲームで採用されてきた共通のアイデアを発展させたものだ」と主張し、自らの正当性をより強く訴えることができるようになるでしょう。
現時点では特許庁の最終判断は下されていませんが、今回の拒絶決定は、任天堂が『パルワールド』との法廷闘争において、いよいよ厳しい局面を迎えていることを象徴する出来事だと、業界では受け止められています。
via: GamesFray