Nintendo Switchのゲームを長期にわたり違法にライブ配信していたJesse Keighin氏(ハンドルネーム「Every Game Guru」)に対し、米コロラド州連邦裁判所は任天堂へ1万7500ドルの損害賠償を支払うよう命じる判決を下しました。この一件は、被告が「チャンネルは1000個ある。一日中だってやれるぜ」などと任天堂を繰り返し挑発していたことから、大きな注目を集めていました。

裁判所の記録によると、任天堂は2024年にKeighin氏を提訴。同氏が2022年以降、複数のプラットフォームで未発売の任天堂タイトル10作品を、リーク版などを用いて50回以上にわたり不正に配信したと訴えていました。直近で権利侵害の対象としてリストアップされたのは、新作『マリオ&ルイージRPG ブラザーシップ!』です。
任天堂の訴状によれば、Keighin氏は警告を無視するだけでなく、同社に挑発的な手紙を送付。「予備のアカウントは数千個ある」といつでも配信を再開できると豪語していたとのこと。さらにFacebook上では、任天堂の弁護団に対し「もっとちゃんと調べてから来なよ」と公然と煽っていたそうです。

裁判記録によると、任天堂は2025年4月に「被告が訴状の受け取りを意図的に回避している」として再度申し立て。最終的には、電子メールのほか、母親、祖母、パートナーの住所へ郵送することで送達を完了させました。それでも被告が期限内に応答しなかったため、裁判所は3月26日に「欠席裁判」扱いとし、任天堂側が求めていた欠席判決が下される流れとなりました。
最終的に裁判所は、Keighin氏に対し1万7500ドルの賠償を命令。内訳は、『マリオ&ルイージRPG ブラザーシップ!』の権利侵害に対する1万ドルと、任天堂の技術的保護手段を繰り返し回避した行為に対する罰金7500ドル(15回分、1回あたり500ドル)です。判決文によれば、任天堂は本来、より高額(最大10万ドル)を請求することも可能でしたが、今回は最新の案件に絞って請求することで、合理的な姿勢を示したとされています。
ただし、裁判所は任天堂の要求をすべて認めたわけではありません。Keighin氏が主に一般公開されているエミュレーターソフトを使用していたことから、「すべてのハッキングデバイスの破棄を命じる」恒久的な差し止め命令は、内容が曖昧で不合理であるとして棄却。同様に、任天堂が求めた「第三者へのいかなる協力も禁じる」という要求も、対象が不明確であるため却下されました。
任天堂は声明の中で、今回の判決が知的財産権を保護するという同社の断固たる決意を改めて示すものであると強調。海賊版やエミュレーターを用いて自社ゲームの配信を試みる他の個人やプラットフォームに対し、著作権を侵害するいかなる行為も法的な結果を招くことになると警告しています。
via: TorrentFreak