『Pokémon GO』(ポケモンGO)がリリースされてから、早9年以上。今なお世界中の多くのトレーナーがポケモンゲットやジムバトルに熱中し、各地を駆け巡っています。大規模イベントともなれば、国内外の会場がファンで埋め尽くされる光景もおなじみとなりました。
一時期は落ち着きを見せたブームですが、コロナ禍を経てプレイヤー数が回復し、人気が再燃しています。『Pokémon GO』を運営するNianticのAPACプロダクトマーケティングマネージャーである三宅那月氏と、先日「Pokémon GO City Safari: 長崎」の開催を発表した長崎市の鈴木史朗市長がoricon newsのインタビューに応じ、この「再ブレイク」の理由と魅力について語りました。

今なお愛される『ポケモンGO』は“国民的ゲーム”
『Pokémon GO』は現在、世界150以上の国と地域でサービスが展開され、累計ダウンロード数は10億回を突破。今もなお、世界中のプレイヤーに愛され続けています。
Nianticの三宅氏は、「リリース当初に比べればプレイヤー数は落ち着きましたが、『Pokémon GO』の遊び方は格段に進化しています。ポケモンを捕まえるだけでなく、AR写真の撮影や、『Pokémon GO Fest』『City Safari』といったリアルイベントへの参加など、楽しみ方は様々です。実は今でも、毎日非常に多くのトレーナーさんがプレイしてくださっているんですよ」と語ります。確かに、最近街中でスマホを覗き込む集団を見かけると、みんなで『ポケモンGO』をプレイしている、なんて光景も珍しくありません。

人気の再燃、きっかけは意外にもコロナ禍
驚くべきことに、『Pokémon GO』が人気を取り戻すきっかけとなったのは、新型コロナウイルスのパンデミックでした。
Nianticの三宅氏によると、「『Pokémon GO』のテーマは『外に出て探索し、人と交流する』ことなので、パンデミック初期は大きな影響を受けました。しかし、私たちは『離れていても一緒に遊べる』機能を導入しました。例えば、ジムに近づかなくてもレイドバトルに参加できる『リモートレイドパス』やフレンド招待機能など、ソーシャルディスタンスを保ちながら交流できる仕組みです。これらの施策によって、コロナ禍でもゲームのアクティブさを維持でき、多くの休眠プレイヤーが復帰し、プレイを継続してくれました」とのこと。

リアルイベントが観光の起爆剤に! 驚異の経済効果
パンデミックが落ち着くと、『Pokémon GO』はリアルイベントを再開。2024年に仙台、マドリード、そしてアメリカの3都市で開催された「Pokémon GO Fest 2024」には、合計120万人以上のトレーナーが参加し、総経済効果は288億円にものぼりました。特に仙台でのイベントだけでも74億円の経済効果を生み出し、参加者の91%が市外から訪れるなど、商店街や地元店舗はかつてないほどの賑わいを見せました。
同年11月に九州で初開催された「Pokémon GO City Safari: 福岡」には、世界中から3.6万人のプレイヤーが集結し、42億円以上の経済効果をもたらしました。調査によると、遠方からの参加者のうち31%が「12ヶ月以内に福岡を再訪したい」と回答。その理由として最も多かったのが「グルメ」、次いで「観光」となっており、ゲームが地方経済と観光を確かに活性化させていることが、各地の自治体が協力に前向きになる大きな理由となっています。

成功の鍵は「ゲーム×街づくり」の共存共栄モデル
三宅氏は、「『Pokémon GO Fest』や『City Safari』のようなイベントは、単なるゲームイベントではなく、地域の観光と経済を促進する絶好の機会です。プレイヤーはゲームを楽しみながら食事や買い物をし、その街の魅力を発見することで、地域が再び活気づきます」と語ります。さらに、「リアルイベントの開催には、地方自治体の協力が不可欠です。仙台や福岡での成功事例がきっかけとなり、今では多くの自治体からイベント開催に関するお問い合わせをいただくようになりました」と明かしました。

自治体との連携で観光促進! まさにWin-Winの関係
今年11月に開催される「Pokémon GO City Safari: 長崎」は、8月の開催発表直後から長崎市内のホテル予約が殺到。キャンプ場やレンタカーまでもが瞬く間に埋まる事態となりました。Nianticによれば、「ホテルが満室だったため、旅程を延長してキャンプをする方や、隣県の佐賀や福岡に宿泊して車で参加される方もいるほどで、九州全体が盛り上がっています」とのこと。
長崎市の鈴木史朗市長も、「イベント発表後に市内のホテルがほぼ満室になったと聞き、大変驚くとともに、長崎の魅力を発信する素晴らしい機会になることを嬉しく思います。私自身もポケモンのファンなので、当日の賑わいを心から楽しみにしています」と笑顔で語りました。

長崎市長が語る成功の要因とイベントへの期待
長崎市の鈴木市長は、「『Pokémon GO』は知名度が高く、クリーンなイメージがあるため、自治体としても安心して連携できます。また、こうしたイベントは特定の会場だけでなく、街全体が舞台になるのが特徴です。これにより、地元の飲食店や商店街と連携し、一体となって盛り上げることができます。この『みんなで参加して街を楽しくする』というコンセプトは、『Pokémon GO』のプレイスタイルと見事にマッチしています」と分析します。
さらに、「今回のイベントは、市の職員が1年前からNianticさんに熱心にアプローチを続けてきた、長崎市民の熱意の結晶です。『Pokémon GO』の大型イベントが政令指定都市以外で開催されるのは初めてのことで、大変光栄に思っています。イベントは周遊型で設計されているので、国内外からお越しのプレイヤーの皆さんには、ゲームを楽しみながら長崎の歴史的な街並みや美しい風景を堪能していただき、地域経済の活性化にも繋がることを期待しています。Nianticさんや長崎県と連携し、交通や安全に配慮しながら、皆さんが安心して楽しめるイベントにしたいです」と付け加えました。

仙台、福岡、そして長崎へ。『Pokémon GO』が仕掛ける「ゲームと街の融合」は、プレイヤー、地域、そして経済のすべてを“レベルアップ”させる、まさに最強のコンボ。これこそが、近年の『ポケモンGO』再ブレイクの最大の秘密なのかもしれません。
via: oricon news