『ロックマン』の生みの親・稲船敬二氏がゲーム業界に警鐘!「既存IP頼みは停滞を招く」開発者に革新的な精神を呼びかけ

『ロックマン』シリーズのデザイナーであり、著名プロデューサーの稲船敬二氏が、先日韓国で開催された「Console Game Developer Conference」で講演。開発者やパブリッシャーに対し、過去の成功や既存の人気シリーズに過度に依存しないよう呼びかけ、さもなければゲーム業界全体が保守的になり、停滞してしまうと警鐘を鳴らしました。

韓国メディア『This is Game』の報道によれば、稲船氏は自身の38年にわたる業界経験を例に挙げ、多くの開発者がヒット作を生み出した後、その成功に縛られ、むしろ革新への勇気を失ってしまうと指摘しています。

「成功したゲームを作ることは確かに素晴らしいことですが、同時にそれは重荷にもなり得ます」と稲船氏。「成功は自信をもたらしますが、自己防衛に陥り、過去のやり方をただ繰り返すだけになる可能性もあります」と警鐘を鳴らしました。

稲船氏は、シリーズ続編や人気ジャンルのゲームの価値を否定しているわけではないと強調しつつも、「しかし、それだけでは不十分だ」と語気を強めました。開発者は安定と革新のバランスを見つけるべきだとし、「成功の次の一手はどこにあるのか」を考える必要があると述べました。

稲船氏はかつてカプコンでキャラクターデザインやプロデューサーを務め、『ロックマン』、『鬼武者』、『デッドライジング』など、数々のシリーズに携わってきました。既存のIPを新たなスタイルやジャンルへと昇華させてきた人物です。複数の代表作を持つのは「過去の成功に留まらなかったからだ」と、胸を張って語りました。

1980年代から90年代のカプコン時代を振り返り、オリジナル作品の開発は当たり前だったと回顧。当時はまだ「モンスターハンター系」や「バイオハザード系」といった固定のパターンが確立されていなかったためです。しかし、現在の業界の風潮は保守的になり、「みんな守りに入って、成功率の高い安全なゲームを作ろうとしている」と現状を憂いました。

稲船氏は、ビジネス的な観点から見れば、シリーズの11作目や13作目を出すことは合理的に思えるかもしれないとしながらも、「しかし、5年後、10年後もこの道が正しいと言えるのか?」と問いかけました。さらに、韓国の開発者に対しては、コンシューマーゲーム開発に積極的に取り組むよう呼びかけ、もし将来、韓国市場が「安全志向」のモバイルゲームやオンラインゲームに支配され続けるならば、「その発展が本当に良いことなのか、再考すべきだ」と警告を発しました。


via: This is Game