諫山創先生による大人気作品『進撃の巨人』。原作漫画、そしてアニメが完結した今もその人気は衰えることを知らず、数々のコラボやグッズ展開が続いています。
そんな中、先日東京・池袋で開催された「国際MANGA会議」(IMART2025)にて、講談社でIP事業を担当する角田真敏氏と伊藤洋平氏、そしてグッドスマイルカンパニー(GSC)の代表取締役社長である岩佐厳太郎氏が登壇。国内外でのライセンス事業や商品化、グローバル展開における実務経験を語る中で、当時の『進撃の巨人』アニメ化に関する社内での考え方が明かされました。

中でも特に注目を集めたのが、講談社の伊藤洋平氏がトークセッションで明かした衝撃の事実。「『進撃の巨人』のアニメ企画は、当初「赤字になる」という試算で提出されたものだった」というのです。今や世界的な影響力を持ち、特に欧米でのファンも非常に多い強力なIPとなった本作からは、にわかには信じがたい話ですよね。
その理由として、以下の点が挙げられました。
当時、似たような作風の作品がほとんどなかったこと
テーマが非常にシリアスで重いこと
商品化が難しく、収益予測が悲観的だったこと
しかし伊藤氏によれば、赤字が予測される中でも、当時のチームはアニメ制作のクオリティに絶対の自信を持っており、最終的に会社もその熱意を支持。後の大成功へと繋がったとのこと。とはいえ、社内の誰もがここまでの大ヒットを記録するとは、当時は夢にも思っていなかったそうです。

同じく講談社の角田真敏氏も、「例えば『AKIRA』も当時は赤字スタートでしたが、長期的な展開で回収した作品です。そういった作品は決して少なくありません」と補足。当初『進撃の巨人』も同様のモデルを想定しており、ファン層の拡大は難しいだろうという固定観念があったそうです。しかし、アニメ放送後の爆発的な人気が、作品IPの可能性に対する考え方を一変させ、ライセンス事業の範囲やグローバルな視野を広げるきっかけとなり、講談社をさらに大きく成長させることになったと語りました。
▼ 当初、こういったコラボレーションはファン層が広がらないと考えられていましたが、今や引く手あまた。ファンの反応も非常に熱狂的です。

このエピソードからも、『進撃の巨人』が講談社に与えた影響の大きさがうかがえます。単に作品がアニメ化で大ヒットしただけでなく、IPライセンスや作品のグローバルな影響力について、より大きなビジョンを持つきっかけとなったのですね。
それにしても、あの『進撃の巨人』が「赤字覚悟」だったとは…。当時の時代背景を考えると、仕方のない判断だったのかもしれませんね(笑)。

via: real sound