『I”s』や『SHADOW LADY』など、90年代を代表する数々の名作を生み出してきた漫画家・桂正和先生。昨年は初の長編連載作品である『ウイングマン』が実写ドラマ化されるなど、今なお多くのファンに愛されています。
そんな桂先生ですが、現在手術のため静養中とのこと。ファンが心配する中、代表作である『電影少女』の原画が盗難被害に遭っていたという衝撃的なニュースが「週刊新潮」によって報じられ、SNSなどで大きな注目を集めています。

なんと現在、Yahoo!オークションに『電影少女』の「原画」が次々と出品されているとのこと。価格は1枚あたり10万円から数十万円、中には100万円を超える高額で取引されているものもあり、いずれも「真作」であると謳われています。これに対し、桂先生は「それらはすべて盗まれたものです。昨年10月にアトリエを引っ越した際、どさくさに紛れてごっそり持ち去られました」と被害を訴えています。
引っ越し作業の際は、1ヶ月かけて大量の私物を整理したそうですが、特に原画の管理には細心の注意を払っていたとのこと。「処分するものはすべて自分の目で確認し、業者にも『腕時計やカメラなどの私物、そして原画は絶対に処分しないでください』と念を押しました。引っ越し業者にも、コンテナを自ら開けて『この原画は倉庫のこの場所に』と、すべて細かく指示を出していました。回収品を別の業者に転売することも一切許可していません」と、当時の状況を語っています。
しかし、これだけ厳重に管理していたにもかかわらず、なぜか『電影少女』の原画だけがごっそりと姿を消し、他の短編作品の原稿はすべて無事だったといいます。
▼ Yahoo!オークションに出品されている『電影少女』の原画


当時、警察は被害届を受理しなかったそうですが、桂先生の代理人である酒井奈緒弁護士によると、「情報を整理したところ、引っ越しに関わった業者の中に、犯行の可能性が極めて高い業者の存在が浮かび上がりました。さらに、その業者と結託していた古物商の存在も判明。弁護士会照会を通じてオークションサイトに情報開示を求めた結果、原画を販売していたアカウントの一つが、まさにその古物商本人のものだったことがわかったのです」とのこと。
『電影少女』全15巻分の原画、約2500枚が被害に遭ったとみられ、仮に1枚30万円で計算した場合、被害総額はなんと7億5000万円にものぼる可能性があります。容疑者の目星はほぼついており、桂先生側は再び警察に被害を訴える準備を進めているとのこと。「現時点では『被疑者不詳』としていますが、業者と古物商に対する証拠を固め、窃盗罪などでの刑事告訴を予定しています」と、弁護士は語っています。

これほど大量の、そして価値のある原画が盗まれ、あろうことかネットオークションで転売されるというのは、作家にとって計り知れない心の傷となるはずです。一刻も早い事件の解決が待たれます。
via: 週刊新潮