『デジモンストーリー タイムストレンジャー』プロデューサーが語る新作の狙い―「ポケモンとの本質的な違いを、物語を通じて伝えたい」

2025年10月に発売された『デジモンストーリー タイムストレンジャー』は、発売直後からプレイヤーや各メディアから高い評価を獲得し、レビュー集積サイトMetacriticでも79~80点というハイスコアを記録しています。

本作の話題が盛り上がりを見せる中、プロデューサーを務める原良輔氏が海外メディア『MCV/Develop』のインタビューに応じ、デジモンシリーズの立ち位置や本作で目指した核心について語りました。原氏は、本作を通じて多くのプレイヤーに「デジモンとポケモンの違い」を、もはや表面的な比較だけでなく、本質的に理解してもらいたいと述べています。

原氏は、「モンスターを収集・育成する」という共通点から、両作品が比較されるのは避けられないと率直に認めつつも、コンセプトや世界観、キャラクターが持つ核心的な意味合いにおいて、両者には根本的な違いがあると強調しました。

「比較されるのは自然なことで、予想もしていました。両方のシリーズを好きでいてくれるプレイヤーもたくさんいますから」と原氏。「しかし、デジモンとポケモンの本質的な魅力は全く異なります。『タイムストレンジャー』を実際にプレイしていただければ、その違いは自ずと明らかになるはずです」

制作チームが本作で目指したことの一つは、新規プレイヤーにも「デジモンとは何か」を自然に理解してもらうことでした。そのために、本作の主人公は「デジモンについて何も知らない秘密諜報員」という設定になっており、いわばアウトサイダーの視点から一歩ずつ世界に足を踏み入れていく構成になっています。

原氏によれば、ゲーム開始直後から強力なデジモンやファン向けの濃い設定を見せても、古くからのファンは熱狂するかもしれませんが、新しいプレイヤーを引き込むのは難しいとのこと。そこでチームは、序盤にあえて強いサスペンス要素を導入し、「ファンサービス」よりも「謎」を提示することで、物語を推し進める原動力を生み出したそうです。

「序盤にいくつかの謎を散りばめることで、プレイヤーの皆さんに好奇心を抱いてもらい、物語が中盤に差し掛かる頃に、デジモンの本質や世界との関係性を少しずつ解き明かしていく。そうすることで、自然な没入感を生み出せると考えました」と原氏は付け加えました。

また、『タイムストレンジャー』では、プレイヤーがゲーム開始直後にデジタルワールドへ行く展開を意図的に避け、しばらくは現実世界を舞台に活動させることで、満を持してデジタルワールドに突入した際のインパクトと魅力をより際立たせる工夫が凝らされています。

「デジタルワールドが満を持して登場する時には、まるで新しい宇宙が広がるかのように感じてもらい、そのギャップと驚きを体験してほしかったのです」と原氏は語ります。

ファンにとって、このインタビューは『タイムストレンジャー』の巧みなシナリオ戦略を解き明かすだけでなく、「キャラクターの成長」「パートナーとの絆」「データ生命体としての存在意義」といった、デジモンシリーズが一貫して描いてきたテーマを再確認させるものでした。これらは、ポケモンの世界観や物語のロジックとは一線を画す、デジモンならではの核心と言えるでしょう。

原氏は、この最新作を通じて、より多くのプレイヤーにデジモンの持つ唯一無二の魅力を理解し、楽しんでもらうことで、長年の比較の枠組みを打ち破りたいとの期待を語りました。


via: MCV/Develop