ガンプラ好きの皆さんなら、塗装や改造、ウェザリングはもちろん、ジオラマ制作などを通じて、自分だけのオリジナル作品作りに情熱を燃やした経験があるのではないでしょうか。
そんな中、X(旧Twitter)でモデラーの庄松屋(@shoumatuya)さんが公開した、『機動戦士ガンダム F91』のクライマックスシーンを再現したジオラマが大きな話題を呼んでいます。ガンダムF91とラフレシアの激闘を描いたその作品は、リアルすぎる完成度で見た人から驚きと称賛の声が殺到しています。

このジオラマが再現しているのは、宇宙世紀0123年、シーブック・アノーが駆るガンダムF91と、鉄仮面(カロッゾ・ロナ)のラフレシアが繰り広げた最終決戦。F91がMEPE(金属剥離効果)によって分身したかのような残像を生み出し、ラフレシアを翻弄するこのシーンは、ガンダムシリーズ屈指の名場面として今も語り継がれています。


庄松屋さんの作品は、まさにその瞬間を切り取ったもの。ラフレシアのテンタクラー・ロッドをかいくぐり高速で突き進むF91、そしてその軌跡に残される剥離した装甲が、見事な「残像」として表現されています。


さらに、傍らには宇宙空間に投げ出されたセシリー・フェアチャイルドと、彼女を救うきっかけとなった「セシリーの花」も。原作ファンなら思わずニヤリとしてしまう、心憎い演出が光ります。


では、なぜこの名シーンをジオラマにしようと思ったのでしょうか?庄松屋さんは制作のきっかけについて、こう語っています。「コロナ禍以降、ガンプラが手に入りにくいと言われていますが、中には店頭でよく見かける、いわゆる売れ残りキットもあります。HGのF91もその一つでした。」
模型店で山積みになっているF91のキットを見て、ふと「これが『質量を持った残像』か…」と感じたそうです。そこから「この場面を作るしかない!」という天啓が舞い降りたとのこと。まさにモデラーならではの着眼点ですね!

制作にあたり、庄松屋さんはHGUC F91を複数購入。
ベースとなるラフレシアは、なんとMG ガンダムF91に付属するディスプレイスタンドを大改造したもの。一体成型でディテールが甘かったため、花弁状のパーツを大胆にカットし、3Dプリンターで自作パーツに置き換えたそうです。さらに、
スラスターの大型化
デカールの追加
全塗装の実施
テンタクラー・ロッドに手芸店で購入したビーズを使用
といった徹底的なディテールアップが施されています。




この作品で特に注目したいのが、巧みな「スケール感」の演出です。
F91は1/144、ラフレシアとセシリーは1/100、そして花のエフェクトは約1/50と、あえてスケールが統一されていません。
この意図について庄松屋さんは、「ラフレシアには鉄仮面が乗っているので、スケール感を考えると『MS < 人 < 花』という関係になります。小さいものをあえて誇張して表現することで、スケールを厳密に守るよりも見栄えが良く、構図も理解しやすくなると考えました」と説明。この絶妙なバランス感覚によって、原作の持つ緊迫感と模型としての見応えが見事に両立されています。


作品のキモである「残像」の表現にも、並々ならぬこだわりが。塗装ブースの強烈な光の下と、通常の照明下では見え方が大きく異なり、一時は「色が黒すぎるのでは?」と悩んだそうです。しかし、通っている模型教室の先生から「背景が黒い宇宙空間なら、残像が黒っぽい方がかえって透明感が出ますよ」という金言が。そのアドバイスを取り入れた結果、まるで本当に宇宙空間に溶け込んでいるかのような、自然な残像表現が完成しました。

約4ヶ月の制作期間を経て完成したこの大作は、投稿されるやいなや1万を超える「いいね」を獲得。「完成度が高すぎてSEやセリフが聞こえてきそう」「脳内で森口博子の歌が再生された」といった絶賛のコメントが殺到しています。
庄松屋さんも投稿に劇中の名台詞「これは……質量を持った残像だというのか!?」を添えており、作品への愛が伝わってきますね。庄松屋さんのXでは、他にも素晴らしい作品が公開されていますので、気になった方はぜひチェックしてみてください!
via: X帳戶庄松屋