任天堂が、またしても生成AIに関する騒動に巻き込まれました。発端は、『My Mario』のキッズ向けおもちゃシリーズの宣伝で、AIが生成した親子画像を使っているのではないかという疑惑が浮上したこと。きっかけはSNSで、ある宣伝写真に写るモデルの親指の角度が不自然に見えたことから、一部のネットユーザーやメディアが「AIによる偽造だ!」と即座に判断。昨今の画像に対する不信感の高さも相まって、瞬く間に拡散されました。

これに対し、任天堂は疑惑を正式に否定しています。同社は、全ての宣伝素材は生成AI技術を一切使わず、本物のモデルを起用して撮影されたものだと強調。任天堂の広報担当者は海外メディアに対し、キャスティングから撮影まで、従来の広告制作プロセスに則って行われたと明言しました。
さらに、『IGN』は今回の撮影に参加したモデル、ブリットーニ・オマイア・シンクレアさんにも取材を敢行。彼女は、今回の撮影は正式なオーディションと複数回の選考を経て行われ、多くのモデルが実際の家族と一緒に写っていると語り、「全てが本物です」と断言しました。
また、彼女自身は問題視された写真のモデルではないものの、現場でその人物に会っており、間違いなく本物の人間だと証言しています。
この騒動が急速に広まった背景には、近年のAI画像技術の目覚ましい進歩があります。生成AIが高精細な写真を生成できるようになったことで、SNS上では「まずは疑ってかかれ」という風潮が生まれ、通常の広告画像でさえ誤解されやすくなっています。
しかし、一部のネットユーザーからは、人間の関節には元々個人差があるため、見た目の直感だけでAI生成だと決めつけるべきではない、という反論も上がっています。

今回の騒動は、エンタメ・ゲーム業界におけるAIへの高い敏感さを改めて浮き彫りにしました。ゲームのアートワーク、マーケティング素材、映像制作に至るまで、AIの活用は倫理や信頼に関する議論を絶えず巻き起こしています。任天堂が今回迅速に釈明したことは、AI時代においてブランドが「真実性」に対する外部からの疑問や不安に、より積極的に対応していく必要があることを示唆していると言えるでしょう。
via: IGN