小学館、性加害漫画家を“別名義”で連載させ大炎上 謝罪も「責任逃れ」と批判殺到、作家陣のボイコットも

現在、X(旧Twitter)を中心に大きな波紋が広がっています。『堕天作戦』などで知られる漫画家・山本章一氏(本名:栗田和明)が、過去に私立高校の教師だった当時、16歳の女子生徒と性的関係を持ったうえ、性的暴行や虐待を加えていたとして提訴され、今年2月に裁判所から1100万円の支払いを命じられていたことが明らかになりました。

ところが、この山本氏が「一路一」という別名義で小学館の漫画アプリ「マンガワン」にて『常人仮面』を連載していたことがネットユーザーによって告発され、事態は急展開。さらに編集者が当事者間の和解交渉に関与していた疑惑も浮上し、小学館は公式サイトで謝罪文を発表する事態に。しかし、この対応が火に油を注ぎ、同アプリで連載中の漫画家からもボイコットが宣言されるなど、大炎上しています。

報道によると、本名が栗田和明である山本氏は漫画家であると同時に、過去には北海道の高校で教鞭を執っていました。

被害に遭ったのは、彼が担当する絵画教室に参加していた女子生徒でした。山本氏は生徒を送っていくことを口実にわいせつ行為に及び、その後もエスカレート。複数回にわたる性加害のほか、裸の写真の撮影強要、性的玩具を用いた虐待、さらには被害者に排泄物を食べさせるなど、その手口は極めて悪質です。この内容に対し、ネットユーザーからは「1100万円の賠償金はあまりに安すぎる」との声も上がっています。

この判決が明るみに出た後、被害者側が提示した資料から、小学館の編集者が山本氏と共に被害者との和解交渉の場に同席していたことが判明。これにより、小学館側が山本氏の加害行為を以前から把握していながら、協力関係を続け、漫画を連載させていたのではないかという疑惑が浮上しました。

さらに、被害者側は漫画の連載中止を要求し、もし連載を再開する場合には、作者が犯罪で逮捕されたことを理由として公表するよう求めていましたが、この条件を受け入れられなかったため、和解は決裂したとされています。

この一連の騒動は、別名義「一路一」として『常人仮面』を連載していた小学館に飛び火。小学館はその後、漫画アプリ「マンガワン」上で声明を発表し、同作について謝罪するとともに、オンラインでの配信と単行本の出荷を停止したことを明らかにしました。声明では、原作者の起用判断および社内の確認体制に問題があったことを認めています。

また、小学館は『常人仮面』の原作者「一路一」氏が、『堕天作戦』の山本章一氏と同一人物であることを正式に認めました。山本氏は2020年に逮捕・起訴され罰金刑を受けており、当時『堕天作戦』も連載が中断されていました。しかし編集部は、2022年に山本氏に「一路一」という別名義を与え、新作『常人仮面』を発表させていたのです。

小学館は声明の中で、「そもそも、作家として再起用すべきではなかったと考えており、被害者の方に、心よりお詫び申し上げます」と述べています。

声明では、山本氏と被害者間の民事訴訟における和解協議への関与についても言及されています。

編集部として組織的に介入する意図はなかったものの、双方からの要請を受け、担当編集者がコミュニケーションツールに参加したことがあったとのこと。その際、編集者は双方に弁護士を立てて公正証書を作成するよう助言するに留まったとしています。

しかし、小学館側も「事件の重大性に対する認識や情報把握が不十分であり、一連の対応は不適切なものでした」と認めています。再発防止に努めるとしていますが、具体的な対策については明言されていません。

一方、『常人仮面』の作画を担当していた鶴吉織理氏もXで声明を発表。「原作者である山本氏の経緯については事前に全く知らず、報道やSNSで初めて知った」と説明し、「ペンネームを変更しての活動については、何か事情があるのだろうと深く詮索しなかった」と述べています。さらに、「創作はフィクションであり自由だが、現実世界で人を傷つけることは決して許されない」と強調し、被害者の心身の回復を祈るとともに、読者へ改めて謝罪しました。

しかし、小学館のこの声明に対し、ネットユーザーの批判は収まりません。それどころか、「マンガワン」で作品を連載している漫画家たちからも、連載の取り下げや一時停止を表明し、協力関係を拒否する動きが広がっています。

「マンガワン」で『映像研には手を出すな!』を連載中の大童澄瞳氏も、編集部と小学館に対し、事件の全経緯の公開と具体的な改善策の提示を要求。十分な説明と具体的な行動が示されるまで、協力関係を解消する意向を表明しました。

これにより、大童氏が現在唯一連載している作品である『映像研には手を出すな!』の更新は、当面の間ストップすることになります。

タレント、YouTuber、コスプレイヤーとして活動する渋谷果歩さんも英語で声明を発表し、小学館と「マンガワン」をボイコットするよう呼びかけ、「漫画業界において、このような悪質な行為を決して容認してはならない」と訴えています。

加害者である漫画家の犯罪行為そのものに加え、小学館がその人物に創作活動を続けさせていたという対応に、多くの人々が憤りを感じています。事件の波紋は広がり続けており、小学館にとってこの炎上騒動は、極めて深刻な事態となっています。