小学館の漫画アプリ『マンガワン』にて、過去に女子高生への性加害で逮捕された漫画家・山本章一氏(本名:栗田和明)が、別名義で連載を開始した問題がネット上で大きな波紋を広げています。この対応をめぐり、小学館に批判が殺到し、炎上状態となっています。
この一連の騒動を受け、参議院議員であり、漫画家でもある赤松健氏が自身の見解をX(旧Twitter)で発表。ネット上では「政治家として言えるギリギリのラインを攻めた発言」と多くの支持を集めています。さらに、日本漫画家協会も公式声明を発表し、本件に対して厳粛な立場を表明しました。
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赤松氏は、政治家そして漫画家という立場から、小学館が公式に発表した内容を踏まえた上で、自身の見解を述べると前置きしました。
まず、被害者とそのご家族へのお見舞いの言葉を述べ、心身に消えない傷を残すこのような行為は、人としての一線を越えた深刻な問題であると強調。加害者が逮捕・略式起訴・罰金刑という刑事手続きを終えていること、その後の編集者が介入した示談交渉の過程が不適切であったこと、そしてペンネームを変えて連載を再開させた判断を「あまりに拙速」と断じました。更生の機会が重要であるとしても、このような形で行われるべきではないと指摘しています。
また、国会議員が民間企業に対して意見を述べることは、政治的圧力と受け取られかねないため本来は避けるべき、としながらも、自身も漫画家であることから、あえて3つの提言を行ったとしています。
① 外部調査機関の設置を
小学館では昨今、問題が頻発しており、その「初動対応」が漫画家たちに不安を与えていると指摘。外部の調査機関を設置し、検証と改善を行うべきではないかと提言しています。
② 作画担当の漫画家は無関係
今回問題を起こしたのは原作者であり、作画担当の漫画家は全くの無関係であると強調。まさに「とんだとばっちり」であり、何らかの補償がなされるべきだと述べています。
③ 連載を続けている漫画家を攻撃しないで
今回の問題に抗議するため、同アプリでの連載を休止する漫画家も出てきていますが、だからといって「連載を続けている漫画家」を非難するのは絶対に間違っていると釘を刺しました。それは「正義の暴走」であり、自制すべきだと呼びかけています。
赤松氏はさらに、今回の原作者と作画担当者は一度しか会ったことがなかったという事実に触れ、「原作者か作画担当のどちらかが不祥事を起こした場合、もう片方はどうすればいいのか?」という制度的な問題が、これまで業界内で十分に議論されてこなかったと指摘します。
そして、漫画業界はそろそろ真剣に向き合うべきだとし、以下の点を挙げました。
・片方が問題を起こした場合の、もう片方への補償はどうするのか?
・クリエイターを交代させるべきか?
・原作者と作画担当者の間でトラブルがあった場合、作品の扱いはどうなるのか?

かつて小学館で『金色のガッシュ!!』を連載していた漫画家の雷句誠氏もこの投稿に反応。「漫画家として、あなたに一票を投じて本当に良かった」と、赤松氏がこの問題に真摯に向き合ったことへの感謝を綴っています。

ネット上でも、「政治家という立場で、この綱渡りのような発言をしてくれたことは本当に評価できる」「こういうことを言えるのは赤松先生しかいない」「めちゃくちゃ怒ってるのが伝わってくるけど、それでも冷静で理性的だ」といった声が多数寄せられています。
赤松氏の、政治家としての立場をわきまえた絶妙なバランス感覚と問題提起の成熟度は、小学館の謝罪文とは対照的であるとの見方も広がっています。



また、日本漫画家協会も公式サイトで声明を発表しました。
報道によれば、ある漫画家による性加害が指摘され、その後の出版社の対応についても疑義が呈されています。この件について、当協会は、現時点では事実関係が十分に解明されていないと認識しておりますが、同時に、これが極めて深刻な問題であると重く受け止めております。
この度の事案は、単なる一個人の問題に留まらず、漫画業界全体が真摯に向き合うべき課題であると考えます。
関係出版社におかれましては、被害に遭われた方の尊厳と安全に最大限配慮した上で、公正かつ透明性の高い調査を実施し、その結果と再発防止策を速やかに公表することを強く求めます。また、本件により今後の連載や契約に関して不安を抱いている漫画家に対し、適切な説明と保護措置を講じていただくことを希望いたします。
一連の動きから、世論の論点は主に「原作者と出版社の判断ミス、そして犯罪行為への甘い対応への批判」「作画担当者や他の作家も被害者であるという認識」「出版社による具体的な再発防止策の要求」、そして「業界全体の制度改善への期待」に集約されていることがわかります。
今回の事件は、もはや一つの作品をめぐる問題に留まらず、「漫画業界の体質と制度」そのものを問う大きな議論へと発展しています。今後の小学館の調査と対応に、引き続き多くの注目が集まりそうです。
via: togetter