『龍が如く』シリーズを手がけた著名プロデューサー・名越稔洋氏が、セガを退社後に設立した「名越スタジオ」が、閉鎖の危機に直面している可能性が浮上しました。ブルームバーグの報道によると、出資元であるNetEaseが、スタジオのデビュー作となる『Gang of Dragon』への資金提供を2026年5月をもって打ち切ることを従業員に通知したとされ、プロジェクト全体が不透明な状況に陥っています。

報道によれば、名越スタジオの従業員は金曜日にこの通知を受け取ったとのこと。この決定の背景には、『Gang of Dragon』の完成までにさらに約70億円の追加資金が必要であることが判明し、NetEase側が採算性を再評価した結果、投資の引き上げを選択したとされています。この件に関し、NetEaseおよび名越スタジオからの公式なコメントは現時点では発表されていません。
『Gang of Dragon』は、2025年12月に開催された「The Game Awards」で正式に発表され、当時は「開発は本格的な段階に入っている」とされていました。本作はアクションゲームで、主演には韓国系アメリカ人俳優のマ・ドンソク氏を起用。マ・ドンソク氏といえば、映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』や『犯罪都市』シリーズ、さらにマーベル映画『エターナルズ』への出演で広く知られており、彼のゲーム出演は多くのゲームファンの間で大きな話題を呼びました。
突然の資金供給停止という事態を受け、名越稔洋氏はプロジェクトを続行すべく、新たな出資元を探しているとのこと。しかし、現時点ではその試みはまだ実を結んでおらず、スタジオの先行きに暗い影を落としています。

実は、名越スタジオが直面するこの苦境は、単独の問題というわけではないようです。これは、NetEaseが近年進めているグローバルなゲーム投資戦略の見直しの一環と見られています。NetEaseは過去数年にわたり、海外に多くの開発チームを設立するなど積極的な投資を行ってきましたが、最近ではその国際的な開発体制を縮小する動きを見せており、複数のスタジオがその影響を受けています。
これまでにNetEaseは、T-Minus、FPC、Bad Brainといった複数のチームを閉鎖。さらに、『Mass Effect』シリーズの脚本家として知られるマック・ウォルターズ氏がバンクーバーで設立したWorlds Untoldとの提携を解消したほか、シアトルのスタジオJar of Sparksへの支援も打ち切っています。また、日本国内でも『聖剣伝説 VISIONS of MANA』の開発を担当した東京の桜花スタジオが2024年に閉鎖されています。
このような業界の大きな変化のなかで、名越稔洋氏が『Gang of Dragon』のために新たな資金源とパートナーを見つけ出し、名越スタジオを存続させることができるのか。今後の動向が注目されます。
via: Bloomberg