青年漫画誌『月刊アフタヌーン』が発表した2026年春の新人賞「四季賞」の結果。その中で、編集長による選評の一部がX(旧Twitter)で大きな話題を呼んでいます。
『月刊アフタヌーン』編集長は、今回の大賞受賞作および新人賞への総評として、20年間もの間、四季賞の投稿作を見てきた中で、ある傾向に気づいたと語ります。それは、主人公が内向的でコミュ障なこと。これ自体は問題なく、むしろ『月刊アフタヌーン』らしい作風とのこと。しかし、本当に気になるのは、多くの主人公が「世界が変わってくれること」を期待するばかりで、自らは何もしないまま、物語が進展せずに終わってしまう点だそうです。
このもどかしさを表現するため、編集長は『新世紀エヴァンゲリオン』を例えに出し、「文句ばかりでエヴァに乗らない碇シンジ」のようだと指摘。そして、そうした作品へのアドバイスはただ一言、「早く乗れ!」とのことでした。

この選評が公開されると、ネット上では「編集長、良いこと言う!」「的確すぎる」と共感の声が殺到。主人公が悩み、葛藤し、人付き合いが苦手なのはいい。しかし、物語の全てが内面描写に終始し、行動や変化がなければ、確かに「物語」とは呼び難い、といった意見が多く見られました。

また、「いつもは『週刊少年ジャンプ』の選評を読んでいるから新鮮」という声も。確かに、『週刊少年ジャンプ』への投稿作なら、たとえ新人賞であっても主人公は「絶対に乗る」でしょうからね。

中には、「そもそも漫画を完成させて投稿できる時点で、作者自身が『エヴァに乗った』人なのに、その作者が生み出す主人公がエヴァに乗らないのは不思議だ」という鋭い指摘もありました。

ちなみに、今回の春の四季賞で大賞を受賞した作品『かんからりん』は、まさに「良い例」として挙げられています。この作品も内向的で人付き合いが苦手な主人公を描いていますが、文化祭の準備を通して少しずつ自分の世界を広げていく様子が見事に描かれており、主人公はちゃんと「エヴァに乗って」いると編集長も絶賛。一読の価値あり、とのことです。
▼今回大賞を受賞した『かんからりん』はこちら
主人公が内向的だったり、迷いを抱えていたりするのはもちろんアリ。でも、物語にはやはり「一歩踏み出す瞬間」が必要不可欠なのかもしれませんね。とはいえ、最初から最後までシンジがエヴァに乗らない『新世紀エヴァンゲリオン』がどんな物語になるのか、それはそれでちょっと見てみたい気もします(笑)。