円谷プロ、『ウルトラマン』シリーズ初期作品の海外利用権を巡る訴訟で全面勝訴! 長年の係争に終止符

『ウルトラマン』シリーズでおなじみの円谷プロダクションは5月21日、公式サイトにて「『1976年文書』に関する利用権不存在確認等請求訴訟の勝訴判決に関するお知らせ」と題した声明を発表。初期『ウルトラマン』シリーズの海外利用権を巡る裁判で勝訴したことを明らかにしました。

声明によると、円谷プロがユーエム株式会社(以下、UM社)を相手取って起こしていた「利用権不存在確認等請求訴訟」は、初期『ウルトラマン』シリーズの日本国外における利用に関するもので、東京地方裁判所は2026年5月14日、円谷プロの主張を全面的に認める判決を下しました。これにより、円谷プロの勝訴が確定し、長年の懸案だった初期作品の海外利用権が正式に円谷プロのものであることが確認されました。

この訴訟の発端は、「1976年文書(76年文書)」と呼ばれる一枚の契約書にあります。円谷プロによれば、1995年末に当時の社長であった円谷皐(のぼる)氏が亡くなった数日後、タイの映画監督であるソンポート・セーンドゥアンチャーイ氏が、1976年に円谷皐氏と契約を交わしたと主張。その内容は、ソンポート氏から2億円を借りる見返りに、『ウルトラマン』シリーズ9作品の日本を除く全世界における著作権を、無期限でソンポート氏に譲渡するというものでした。

この全世界における著作権は、2008年以降、ソンポート氏から権利を譲り受けたとされる日本のUM社が保有を主張。両社は初期『ウルトラマン』シリーズの海外利用権を巡り、数十年にわたって争いを繰り広げてきました。しかし、円谷プロは一貫して「76年文書は偽造されたものである」と主張。事実、2008年にはタイの最高裁判所、2018年には米国の連邦裁判所が、筆跡鑑定などの証拠に基づき、この文書が偽造であると認定しています。

(※ソンポート氏は、1974年に円谷プロとタイが合作した映画『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』で監督を務めています)

▼ 1974年に円谷プロとタイが合作した映画『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』

円谷プロはさらに、米国の訴訟において、ソンポート氏自身がこの「76年文書」の存在を円谷プロに初めて明かしたのは、文書の署名者とされる円谷皐氏が亡くなった翌年の1996年だったと説明。文書が作成されたとされる時から20年もの間、その存在が隠されていた点は極めて不自然であると裁判所は判断し、これが陪審員団が満場一致で文書を偽造と認定する大きな要因の一つとなりました。

しかし、過去の日本国内における一部の訴訟ではこの文書が偽造であるとは認定されなかったため、UM社はその後もこの文書を根拠に、一部の海外地域で関連ビジネスや権利侵害行為を続けていました。

数十年にわたって続いたこの海外利用権を巡る争いですが、今回の判決では、円谷プロが2014年に行った契約解除通知が有効であり、「76年文書」に関する契約は適法に終了したと正式に認定。UM社が初期『ウルトラマン』シリーズ作品を日本国外で利用する権利をもはや有しないことが確定しました。

円谷プロは今後も『ウルトラマン』シリーズのグローバル展開を積極的に推進していくと強調。あわせて、パートナー企業や関係者、そしてすべてのウルトラマンファンへの感謝を述べ、「今後とも『ウルトラマン』シリーズへの応援をよろしくお願いいたします」とコメントしています。

via: 円谷プロダクション