漫画家の画風が変わるのは「本人が描いている証拠」!? 井上純一先生の解説に業界が激しく同意

「漫画家の画風が変わるのは、むしろ本人が描いている証拠だ!」――一見すると常識を覆すようなこの持論が、先日、漫画家・井上純一先生(希有馬屋)のX(旧Twitter)投稿をきっかけに、日本の漫画業界やSNSで大きな話題を呼んでいます。

ことぶきつかさ先生や赤井孝美先生など、多くの著名な漫画家さんたちが「まさにこれ!」と同意の声を上げ、「漫画家の画風ってなんで変わるの?」という疑問が改めてホットな話題になっていますね。

井上純一先生は、「漫画家の画風が変わるのは、アシスタントに頼りすぎているからだ、と誤解している人が多い」と指摘。しかし、現実は真逆だと言います。「アシスタントに任せているから画風が変わるわけではない」と断言しています。

さらに先生は、他の漫画家の画風を専門に模倣する、いわゆる「イタコ漫画家」の作品を例に挙げて説明しています。他人に画風を模倣させる場合こそ、作品のスタイルは長期間にわたって一貫性を保ちやすいのだとか。なぜなら、模倣する側は既存の画風をひたすらコピーすれば、同じテイストの作品を量産できるからです。

だからこそ、「画風が変わるというのは、作者本人がずっと描き続けている証拠なんです!」と力説されています。

▼ 福本伸行先生の『賭博黙示録カイジ』の初期と後期の画風を例に挙げています。

さらに井上先生は、「もしアシスタントが勝手にこんなに画風を変えたりしたら、どう考えても作者や編集さんに怒られちゃいますよね」と補足しています。

この発言には、多くの漫画家さんたちが即座に賛同。『機動戦士ガンダム』の漫画を手がけることぶきつかさ先生も「まさにこれ」と反応しています。

『スレイヤーズ』のイラストを担当されている新泉留衣先生もこの投稿をリツイートし、長年の連載で画風が変化していくことへの共感を示しています。

『とある魔術の禁書目録』のイラストを手がける灰村清孝先生も、同様にこの意見に同意しています。

多くの漫画家さんたちが、自身の作品の画風変化について語っています。『ヒトミ先生の保健室』の作者・鮭夫先生は、「同じ作品を10年以上描いていると、同じキャラクターでも顔の輪郭や体型、目の描き方まで大きく変わっちゃいますよね」とコメント。

漫画家・佐原実波先生は、自身の作品『ガクサン』の第1巻と最終巻のキャラクター比較画像を投稿し、「もう隠すのを完全に諦めてます」と自虐気味に語っています。

ネットユーザーからも、『烈火の炎』、『黒子のバスケ』、『行け!稲中卓球部』、『ああっ女神さまっ』、『ONE PIECE』、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』など、数々の有名作品が例として挙げられています。長期連載作品では、時間の経過とともに画風が変化していくのが見て取れる、という意見が多数を占めました。

その一方で、長年にわたってほとんど画風を変えない漫画家さんたちに感嘆する声も多数。コメント欄では、あだち充先生、長谷川裕一先生、環望先生、弓月光先生、安彦良和先生といった方々の名前が挙がっています。何十年も高いレベルで一貫した画風を保ち続けるのは、また別の意味でとんでもない偉業だと評価されています。

特に安彦良和先生は、全24巻にも及ぶ大作『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』を完結させるまで、ほとんど画風が変わらなかったことについて、「まるで『ジョジョの奇妙な冒険』のスタープラチナのように完成度が高い!」と驚きの声が上がっています。

この投稿が大きな反響を呼んだため、井上純一先生は改めて発言の意図を説明。福本伸行先生の『闘牌伝説アカギ 〜闇に舞い降りた天才〜』の画風について、「作者はもう飽きて、全部アシスタントに任せているから画風が劣化した」というコメントを目にし、その認識が全く間違っていると感じたそうです。

井上先生は「全然違う!本当に全然違うんです!」と強調。高橋留美子先生を例に挙げる人もいるけれど、実際は「画風が変わるのは、作者本人がずっと描き続けているから。むしろアシスタントに任せた方が、画風は変わりにくいんですよ」と力説しています。

この井上先生の持論は、多くのネットユーザーの共感を呼びました。もし本人が描き続けていれば、新しい技法や経験、あるいは他の作品からの影響を受けて、画風は自然と進化していくもの。逆に、ただ他人のスタイルを模倣しているだけの人の方が、同じ画風を維持しやすい、というわけですね。

もちろん、その変化が良い評価を受けることもあれば、そうでないこともあるでしょう。しかし、それらすべてが、漫画家さんが創作活動を通して経験を積み重ねてきた証であり、軌跡なのです。