世界的なメモリ供給の逼迫が、ゲーム業界にも影を落としています。任天堂は先日の決算説明会で、必要なメモリは確保できているとして、現時点ではNintendo Switch 2の再値上げを検討していないと説明しました。一方、初代Nintendo Switch用ゲームカードの主要チップサプライヤーであるマクロニクス・インターナショナルは、データセンター向け需要の拡大を受け、ROM生産を段階的に縮小する方針です。本体価格とパッケージソフトの供給、それぞれに異なるプレッシャーがかかっています。

任天堂の古川俊太郎社長は、メモリの供給状況に大きな変化はなく、現在も必要な数量を確保できていると説明しました。Nintendo Switch 2は米国市場で450ドルから500ドルへ値上げされましたが、現段階でさらなる価格改定の予定はないとのこと。ただし、部品コストが正常な水準に戻ったわけではなく、ほかのゲーム機メーカーも相次ぐ部品価格の上昇を受けて本体価格を見直しています。
同じ決算では、任天堂の当四半期における営業利益が前年同期比16%減となり、Nintendo Switch 2のハード販売台数も約37%減少したことが明らかになりました。それでも任天堂は、発売後の同一期間で比較した累計販売台数について、初代Nintendo Switchを上回っていると強調。年末商戦でも現在の価格を維持し、本体の普及拡大を図る考えです。

一方、台湾のマクロニクス・インターナショナルは2026年10月27日、第3四半期決算を発表しました。ROM事業の売上高は前年同期比39%減となり、売上高全体に占める割合も前年同期の26%から5%まで低下。呉敏求会長は、データセンター顧客によるNORフラッシュメモリの需要が旺盛だとして、ROM事業を段階的に縮小し、生産能力と投資をNORやNANDなどの製品へ振り向ける方針を示しました。
マクロニクス・インターナショナルは長年にわたり、初代Nintendo Switchのゲームカードに使われるROMチップを供給してきました。今回の事業転換によって、パッケージソフトの長期的な調達コストが上昇する可能性はありますが、ゲームカードが直ちに生産終了となるわけではありません。任天堂にはほかのチップ調達先もあり、Nintendo Switch 2のゲームカードにはNANDフラッシュメモリなどを用いた異なるストレージ設計が採用されているため、ROM減産による直接的な影響も異なります。
アナリストの David Gibson氏によると、2026年4月から6月における任天堂のソフト売上高は、すでに61.5%をダウンロード版が占めているとのこと。パッケージ版の需要が徐々に減少する一方、AIデータセンターがチップの生産能力をゴリゴリ吸収している状況です。任天堂はひとまず本体価格を維持していますが、今後はパッケージソフトの供給とコストにも注目が集まりそうです。
via: VGC Taipei Times