
2016年にチャン・イーモウが監督した米中合作のSF映画『グレートウォール』(The Great Wall)が、このほど8年ぶりにアメリカのNetflixで配信開始され、視聴ランキングでトップ10入りを果たした。
Netflixが先日発表した4月29日~5月5日の北米で最も視聴された映画ランキングで、『グレートウォール』は4位にランクイン。トップ3は『恋するプリテンダー』(Anyone But You)、『ジャッジ 裁かれる判事』(The Judge)、『アンフロステッド: ポップタルトをめぐる物語』(Unfrosted)だった。
映画『グレートウォール』は、中国で囚われたヨーロッパの傭兵たちが秘密部隊に徴兵され、怪物・饕餮(とうてつ)の攻撃から万里の長城を守るために協力する物語。 マット・デイモン、ウィレム・デフォー、ペドロ・パスカルといったハリウッドスター3名に加え、アンディ・ラウ、エディ・ポン、チャン・ハンユー、ケニー・リンなど中国・香港・台湾の大物スター、そしてヒロインのジン・ティエンが顔を揃えた。

豪華絢爛なキャスト陣と壮大なスケールの映像は、Netflixユーザーが再鑑賞したり、初めて観たりする誘因の一つかもしれない。しかし、本作は当時、世界的な興行収入爆死作となった。Screen Rantは、『グレートウォール』が国際的に最も大きな論争を呼んだのは、主に「白人救世主」の物語を助長していると疑われた点だと分析している。 本作の最初の予告編が公開された後、多くの人々が3人のヨーロッパ人男性を主役に据え、アンディ・ラウら中国人キャラクターを周縁化していると疑問視した。しかし、映画は公開後も観客や批評家を納得させることはできなかった。中身のないストーリーとキャラクターの論理は、批評家や観客から容赦ない批判を浴びた。
マット・デイモンは2021年のインタビューで振り返り、『グレートウォール』の撮影開始前から、この災難を予感していたと告白している。
「うちの娘たちは、これがひどい映画になるってよく分かってたんだ。彼女たちはこの映画について話すたびに、『ザ・ウォール』って呼ぶんだ。それで僕が『『ザ・グレートウォール』だよ』って訂正すると、彼女たちは『でもパパ、この映画には“グレート”なところなんて何もないじゃない』って言い返すんだ」
当時を振り返り、彼はチャン・イーモウ監督が資金提供元の圧力で脚本の大幅な変更を余儀なくされたと知った時、それが破滅の始まりだと悟ったという。「その時、『これは災難の始まりだ』と思ったよ。『グレートウォール』の物語は前後が繋がっていなくて、まるで一本の映画のようじゃなかったからね」
偶然にも、チャン・イーモウも昨年、中国のインタビュー番組で語っているが、『グレートウォール』の撮影に費やした3年間は好きではなかったという。ハリウッドの制作システムは自由がなく、制約が多いと感じ、最初からこの映画は赤字になると感じており、引き受けたくなかったとまで明かした。しかし、エージェントから「これは世界150カ国以上で同時公開される初の中国映画になる」と説得され、この千載一遇の機会を考え、この「黒歴史」を引き受けることになったという。