藤本タツキ先生による大人気漫画『チェンソーマン』。その初となる劇場版アニメ『劇場版チェンソーマン レゼ篇』が現在大ヒット上映中です。各地で好調な興行成績を記録し、再び大きな話題を呼んでいます。
公開から4週連続で週末興行収入ランキング1位を独走し、10月15日時点で興行収入はなんと57億円を突破!この大ヒットを受け、ネット上では制作スタッフによる過去のSNS投稿が掘り起こされ、大きな注目を集めています。その内容とは、当初の見込みが「30億いけば御の字」という、今となってはかなり控えめな評価だったというもの。このギャップが話題を呼んでいるのです。

この発言の主は、本作で作画を担当した上妻晋作氏。公開初週に自身のInstagramで当時の心境を次のように綴っていました。
「納品間際の深夜4時、コアスタッフ2人と3人でタバコを吸いながら話していた時の、あの悲観的な雰囲気を思い出します。」
「グッズの売れ行きがあまり良くないと聞いていたので、『国内で30億いけば御の字だよね』とか、『海外で70億くらいを祈りますか…』なんて話をしていて、僕も『うーん…持ちこたえてほしいですね』としか言えませんでした。」
ところが、テレビアニメ総集編の公開を機に状況は一変。今回は制作会社MAPPAの単独出資ということもあり、興行成績が良ければ利益も大きいとのこと。上妻氏は「自分は少しお手伝いしただけの部外者ですが、彼らの成功を心から願っています。あいつらが幸せそうな顔で笑ってくれたら、それで十分です」と、仲間への想いを語っています。

そもそもテレビアニメ版『チェンソーマン』は、大きな期待を集めた一方で、評価が賛否両論だったという経緯があります。そのため、放送終了から劇場版公開まで約2年半という期間が空き、ファンの間でも「本当にヒットするのか?」と、この人気シリーズの今後を不安視する声も少なくありませんでした。

本作はバトルアクションが中心で、これまでのファン層は男性が多めでしたが、劇場版ではSNS上での女性ファンの声が明らかに増加。作品の魅力がより幅広い層へと届いていることが伺えます。
このヒットを強力に後押ししているのが、豪華アーティストによる主題歌です。米津玄師さんの「IRIS OUT」と、宇多田ヒカルさんとのコラボ楽曲「JANE DOE」はどちらも大きな反響を呼びました。公式YouTubeチャンネルで公開された二人の対談動画は、あっという間に100万再生を突破するなど、これまで作品に触れてこなかった層にもアピールする起爆剤となっています。

さらに、新規ファン獲得のための施策も見逃せません。テレビアニメ第1期を約3時間半にまとめた『チェンソーマン総集編』や、その内容をさらに10分に凝縮したダイジェスト映像を公開。これにより、アニメ未視聴の方でもサクッと物語をキャッチアップし、気軽に劇場へ足を運べる環境が整えられました。

最近では「アニメや漫画は追わないけど、話題の劇場版は観る」というライトなファン層が増加傾向にあります。制作陣もこのトレンドを的確に捉え、誰もが入りやすい環境と巧みなプロモーションを展開しました。興収100億円突破の鍵は、作品自体のクオリティはもちろん、いかに話題を持続させ、口コミを広げていけるかにかかっています。『劇場版チェンソーマン レゼ篇』は、「作品 × 音楽 × プロモーション」という三つの要素が完璧に噛み合ったことで、話題が話題を呼び、新たなファンを続々と獲得しているのです。

この勢いが続けば、『劇場版チェンソーマン レゼ篇』は今年4作品目となる興収100億円突破作品となるだけでなく、『週刊少年ジャンプ』原作映画の新たな「黄金時代」の幕開けを告げる一作となるかもしれません。今後の口コミによるさらなる広がりに、期待が高まります。
via: 東洋經濟