『GQuuuuuuX』のサイコ・ガンダムが「エアコン」に偽装した衝撃の理由が判明! 鶴巻監督と脚本・榎戸氏が明かす制作秘話。人気キャラ「シイコ」の初期デザインは『Z』のライラだった!?

昨年放送され、全12話で完結した新作ガンダムアニメ『機動戦士ガンダム GQuuuuuuX』。初代『機動戦士ガンダム』の物語を受け継ぐストーリーで、多くの新規ファンを魅了しました。

6月29日に東京で開催された「Blu-ray&DVD&パッケージレス版 発売記念上映会」に、鶴巻和哉監督とシリーズ構成・脚本を務めた榎戸洋司氏が登壇。ファンが気になるあのキャラクターや、衝撃の展開の裏側について語りました。特に、わずか1話の登場ながら絶大な人気を誇る女性キャラクター「シイコ・スガイ」や強化人間「ツゥウ・ムラサメ」のデザイン秘話、そして「エアコン」に偽装して登場したあのサイコ・ガンダムのアイデアの源泉など、興味深い話が飛び出しました。

イベントでは、TVシリーズ第4話から第7話が上映されました。第4話に登場するのは、元地球連邦軍のエースパイロットで、一年戦争で100機以上を撃墜したとされるシイコ・スガイ。たった1話のみの登場にもかかわらず、放送後またたく間に超人気キャラクターとなりました。

鶴巻監督によると、シャリア・ブルが登場する前の企画書の段階から「シイコ」というキャラクター名は存在していたとのこと。「彼女のキャラクター性は最初から決まっていました。一年戦争のエースが母親になり、再び戦場に戻ってくる。めちゃくちゃ強いけど最後は死んでしまう、という設定は当初から固まっていましたね」と明かしました。

榎戸氏は、「実は多くの映画で、戦争の英雄が戦後は平穏な日常にうまく馴染めない、というテーマが描かれています。鶴巻監督が『冷戦』の雰囲気を出したいとずっとおっしゃっていたので、シイコのような戦争のエースが、かえって幸せな生活に適応できない、というのは面白い設定だと思いました」と補足しました。

シイコは丸顔で可愛らしいルックスですが、榎戸氏は「脚本を書いていた時に僕が想像していたシイコは、『機動戦士Ζガンダム』のライラ・ミラ・ライラのような女性パイロットだったんです。だからキャラクターデザインが上がってきた時は、本当に驚きました」と、イメージとのギャップに苦笑いしながら語りました。

▼ 『機動戦士Ζガンダム』に登場するライラ・ミラ・ライラ

このギャップについて鶴巻監督は、「カッコいい系のキャラクターというよりは、母親らしいイメージの方が彼女には合うと思ったんです。なので、キャラクターデザインの竹さんにお願いする時も、『カッコよく描かないで、普通のお母さんに見えるキャラクターにしてください』と伝えました」と、大人気キャラクター誕生の裏話を披露しました。

そして、第7話で視聴者に大きな衝撃を与えたのが「サイコ・ガンダム」の登場シーン。なんと大型の空調設備に偽装してコロニーに運び込まれるという、意表を突く設定でした。

このアイデアについて、榎戸洋司氏は驚きの事実を明かします。「庵野(秀明)さんからメールをもらったことがあって、『もしスペースコロニーに穴が開いたら、元の大気状態に戻すのに何年もかかるし、ものすごく巨大な設備が必要になる』と書かれていたんです。ちょうど第6話の脚本を書く前だったので、じゃあサイコ・ガンダムを空調機ということにして運び込んじゃえば、その説明も一石二鳥でできるな、と」。厳密に言えば、庵野氏のアイデアがこの展開に繋がった形です。

さらに、サイコ・ガンダムのパイロットである「ツゥウ・ムラサメ」について、榎戸氏は「サイコ・ガンダムを出すなら、パイロットは当然ムラサメ研究所の人間だろうと。フォウ・ムラサメより少し前の時代という設定にしたかったんですが、『ツゥウ・ムラサメ』って名前っぽくないですよね。そこで、ムラサメ研究所の強化人間は記憶も名前も消されるけど、完全ではなく母語は話せる、という裏設定を考えまして。だから母語である日本語の数字『弐(ツー)』から名付けたんです」と語りました。

ファンの間で議論を呼んだ性別については、「ツゥウ・ムラサメは女の子です」と明言。続けて「いや、別に隠してたわけじゃないんですけどね…」と苦笑い。一人称が「僕」であることから「ボクっ娘」として話題になったことについては、「まさかここまで皆さんに議論されるとは…」と、嬉しい誤算だったことを自虐的に語り、反省しきりでした(笑)。

アニメの放送終了から半年以上が経ちますが、その緻密な設定や世界観は今なお多くのファンを惹きつけてやみません。今回の「Blu-ray&DVD&パッケージレス版 発売記念上映会」で語られた数々の制作秘話は、ファンにとってたまらないプレゼントになったのではないでしょうか。いつか公式設定資料集が発売されたら、さらに作品世界にどっぷり浸れそうですね!

via: oricon news oricon news