『呪術廻戦』禪院直哉役・遊佐浩二さんインタビュー!キャラの魅力は「顔でしょ」と即答!「なんで人気あるのか教えてほしい(笑)」と本音もポロリ

アニメ『呪術廻戦』第3期「死滅回游」編の放送が待たれる中、作中でも屈指の人気を誇るキャラクターが「禪院直哉」です。

原作での強烈なキャラクター性に加え、アニメでの活躍、そして担当声優である遊佐浩二さんの名演が組み合わさり、一躍大きな話題となりました。先日、ORICON NEWSのインタビューに応じた遊佐さんが、自身がこのキャラクターをどのように捉え、演じているのかを語ってくれました。

以下、インタビューの主な内容です。

Q:禪院直哉役はオーディションで決まったそうですが、当時、手応えのようなものはありましたか?

遊佐:オーディションはいつも「絶対に受かってやる」という気持ちで臨んでいますが、正直なところ、こちらの意図が必ずしも伝わるとは限らないので、手応えというものはあまり信じていないんです(笑)。自分にできることを精一杯やるだけですね。

Q:オーディションの際、このキャラクターをどのように解釈されましたか?

遊佐:お話をいただくまでは、『呪術廻戦』というタイトルを知っている程度で、CMでキャラクターを見かけたことがあるくらいでした。今回初めて原作を読ませていただいたのですが、想像以上にハードでダークな世界観だと感じました。もっとチームバトルもののような作品かと思っていたんですが、主人公も熱血漢というわけではなく、各キャラクターがそれぞれの事情を抱えている。悪役をスカッと倒して終わり、という物語ではなく、色々と考えさせられる結末を迎えるんですよね。

禪院家については、本筋とは少し離れた場所で起こっている、それでいて非常に重要な問題ですよね。直哉に関しては、「思ったことをそのまま口にする」人、という印象でした。

Q:本当に、清々しいほどの口の悪さですよね……。

遊佐:それは我々にちゃんとした倫理観があるからですよ(笑)。禪院家の中では、誰もそんなこと気にしていないんじゃないでしょうか。一族の人間は、多かれ少なかれそういう気質を持っているんだと思います。

Q:役作りで特に意識したことはありますか?

遊佐:他人の気持ちを一切考えないこと、ですね。

Q:この役は評価が大きく分かれますが、演じる上で複雑な心境はありましたか?

遊佐:演じること自体に複雑さはありませんでした。複雑だったのは、僕がこういう役にピッタリだと思われているらしい、という事実ですね(笑)。もちろん、選んでいただけたのは大変光栄です。お芝居をする上で一番大切にしているのは、「そのキャラクターがどう考えるか」ということ。そこに僕自身の考えを入れてしまうと、それはもうキャラクターではなくなってしまうので、常に役の立場で物事を考えるようにしています。

Q:実際の演技ではどのようにアプローチされたのでしょうか?

遊佐:重要なのは「彼が誰に対して何を言うか」です。例えば真希に対しては、まったく意に介していない。ディレクターからも「何でもないことのように言ってほしい」と指示がありました。彼にとってはそれが日常ですからね。叔父にあたる人物にも「甚壱くん……その顔はアカンで」なんて平気で言いますし、僕本人には絶対に言えないセリフです(笑)。でも、普段口にできないようなことを言えるので、演じていてすごく楽しかったですね。

Q:他に特別な指示はありましたか?

遊佐:原作ではモノローグだった部分がアニメではセリフになっていたり、その逆のパターンもあったりしたので、そのあたりは特に重点的に確認しました。

Q:遊佐さんから見て、『呪術廻戦』のユニークな点はどこだと思いますか?

遊佐:キャラクターが術式を使うときに技名を叫ばないところじゃないでしょうか。説明すらないこともありますよね(逆の例で言うと『BLEACH』みたいな)。僕らは台本を読んでいるから分かりますけど、視聴者の方がアニメの映像だけを見ていると、雰囲気で察するしかないかもしれない。そこがユニークですよね。直哉の術式も、内容は語られますが名前は出てこないので、よく分からなかった人も多いんじゃないでしょうか(笑)。なのに、脹相の術式は直哉が解説してあげるっていう(笑)。そういうところが彼の良いところかもしれませんね。

Q:京ことばでの演技は難しかったですか?

遊佐:僕自身が話すなら、もっとコテコテにすることもできるんですが、あくまでセリフとして演じるので。基本的には原作を尊重しつつ、違和感がある部分だけ修正する形です。一番難しいのは、標準語、原作のニュアンス、そして方言という3つのバランスを取ることですね。特に専門用語が出てくるときに方言の訛りが強すぎると、視聴者の方が物語に入り込めなくなってしまう可能性があるので。

それに面白いのが、禪院家の他のメンバーはほとんど訛りがないのに、僕だけが京都弁を話しているんですよ(笑)。当主の直毘人も、甚壱も扇も、真希や真依も話さない。なぜか直哉だけ(笑)。意図的に描かれていない部分なのかもしれませんね。

Q:確かに、京都といっても広いですしね。

遊佐:ええ。京都に住んでいるからといって、必ずしもそうなるわけではないですからね。これは京都という土地柄というより、禪院家の家風なんだと思います。歴史ある旧家で、伝統を重んじる一方で、外部のものを排斥するような空気もある。直哉は、そういった環境で育ったからこそ、ああいう人間になったのかもしれません。

Q:ズバリ、直哉の魅力とは何だと思いますか?

遊佐:正直、まだ見つけられていないんですよ(笑)。たぶんファンの皆さんの方がよくご存じなんじゃないかな……。強いて言うなら、顔ですかね(笑)。あとは、誰に対しても物怖じせずに言いたいことを言う、あの姿勢は少し羨ましくもあります。

Q:ご自身では、ああいうことはできない?

遊佐:無理ですね、僕みたいな人間には(笑)。

Q:アフレコ現場で、ご自身から意見を出すことはありますか?

遊佐:「こういう解釈で合っていますか?」という確認はしますが、「絶対にこうしてください」といった主張はしません。今回も方言のセリフは基本的にそのまま使っています。アフレコ自体はスムーズでしたが、事前の打ち合わせには結構時間をかけました。

Q:演技で特に注意した点は?

遊佐:キャラクター同士の距離感です。禪院家の内部での会話は、最初は普通に演じていたんですが、甚壱とのシーンでディレクターから「もっと距離を詰めてください」という指示があったので、あのプレッシャーをかける感じは特に意識しました。

Q:こういった「嫌われ役」を演じることに、特別な楽しさはありますか?

遊佐:日常生活では絶対に口にしないようなセリフですからね。それを演じられるのは、役者として幸せなことです。

Q:今後、挑戦してみたい役柄はありますか?

遊佐:いい人を演じたいですね。もっと言うと、優しい人を演じてみたいです。直哉は自分に正直なだけで、彼を悪人と呼ぶかどうかは人それぞれだと思います。ただ、「いい人」というカテゴリーには入れにくいですよね。機会があれば、心から優しいと思えるようなキャラクターを演じてみたいです。でも、この作品は誰もが何かを背負っているので、単純に「この人は善人だ」とは言えないキャラクターばかりですけどね。

Q:直哉ファンにメッセージをお願いします。

遊佐:皆さんが彼のどこを好きなのか、ぜひ教えてほしいです(笑)。もちろん僕も彼に愛着はありますが、正直なところ、まだ彼のことを理解しきれていない部分もあって。それでも応援してくださる皆さんがいることは、本当にありがたいです。

インタビューからは、遊佐さん自身もなぜ直哉がこれほどファンに愛されているのか、本気で分かっていない様子が伝わってきますね。ネット上で「ハマり役すぎる」「声が良すぎて嫌いになれない」といった声が上がることに、ご本人も困惑しているようです(笑)。

遊佐浩二さんといえば、これまでも『BLEACH』の市丸ギン、『Fate』シリーズのカルナ、『ソニック』シリーズのシャドウなど、数々のクセが強い人気キャラクターを演じてきました。その唯一無二の声質は多くのファンを魅了し続けており、御年57歳にしてこの絶大な人気と評価を維持しているのも納得ですね!

via: Oricon News