『超かぐや姫!』の聖地は一般住宅? ファンの投稿が拡散され物議、「住人が可哀想」との声も。公式が異例の注意喚起

アニメファンにとってはお馴染みの「聖地巡礼」。作中の舞台となった場所を実際に訪れ、作品の世界に浸るという楽しみ方ですよね。時には地域活性化にも繋がり、大きな経済効果を生むこともあります。

そんな中、あるXユーザーの投稿が大きな波紋を呼んでいます。Netflixで配信中のオリジナルアニメ『超かぐや姫!』に登場するキャラクター、酒寄彩葉が住んでいるとされるアパートの外観写真を「聖地巡礼」として投稿したのです。この投稿は瞬く間に拡散されましたが、問題なのは、この場所が公式に発表された舞台ではなく、ごく普通の一般住宅であるという点。「一般住宅を勝手に“聖地”認定するのはアリなのか?」とネット上で議論が巻き起こり、ついには公式が声明を発表する事態にまで発展しました。

発端となった投稿では、「彩葉ちゃんが引っ越す前のお家にそっくりな場所、実在したんだ…」といった趣旨のコメントと共に、『超かぐや姫!』や「聖地巡礼」のハッシュタグが付けられていました。これにより、多くのファンの注目を集めることとなったのです。

しかし、この場所はあくまで一般の民家であり、公式が参考にしたと認めたわけではありません。この状況に対し、ネット上では「聖地にされた一般住宅に、オタクたちが押しかけて写真を撮っていくなんて、住人が本当に可哀想。」といった批判が殺到し、大きな議論へと発展しました。

(なお、元となった投稿は現在削除されています)

そもそも、投稿された写真と作中の背景画を比較すると、細部が異なっており、日本でよく見かけるデザインのアパートという以上の類似点はありません。安易な投稿が誤解を招き、現地に迷惑をかける結果になりかねないと、懸念の声が上がっています。

この問題を受け、SNSでは過去の類似事例も話題に。かつて『苺ましまろ』の聖地巡礼でファンが住宅街に押し寄せた問題や、最近では劇場版『チェンソーマン レゼ篇』の聖地とされる公衆電話にファンが供え物をして問題になった件などが引き合いに出されています。

また、「自分の学校が聖地になった時、下校中に無断で撮影された」「放送中、住宅街を見知らぬ大人がうろつくようになって怖かった」など、聖地巡礼が原因で起きた実体験を語るユーザーも現れました。

もちろん、聖地巡礼そのものが悪いわけではありません。しかし、公式のお墨付きもないまま一般住宅を“聖地”として拡散する行為に対しては、「商業施設や飲食店ならお金を落として応援もできるけど、
一般住宅はプライバシーの侵害でしかない。
」といった厳しい意見が多数寄せられています。これでは、作品ファンへの心象を悪くするだけでしょう。

このような状況を受け、『超かぐや姫!』の公式Xアカウントは24日、「『超かぐや姫!』の作品にゆかりのある場所への訪問をご検討されている皆様へ」と題した声明を発表。ファンへの感謝を述べつつも、舞台となった場所は地域住民の生活空間であることを強調し、訪問の際は迷惑行為をしないよう強く呼びかけました。

声明では、以下の行為を控えるよう注意喚起しています。

私有地や学校など許可なく立ち入らないこと

無許可での撮影・配信など、プライバシーを侵害する恐れのある行為

深夜・早朝の訪問

大声を出すなどの迷惑行為

ゴミのポイ捨てや器物損壊

その他、住民の生活や店舗の営業の妨げとなる一切の行為

最後に、「皆様におかれましては、節度とマナーを守ってお楽しみいただけますよう、お願い申し上げます」と締めくくっています。

この一件は、昔から議論されてきた問題を改めて浮き彫りにしました。二次元はフィクションの世界ですが、その舞台が現実の場所であるなら、そこには当然ながら人々が暮らしています。聖地巡礼は素晴らしい文化ですが、そこに住む人々への配慮とプライバシーの尊重を忘れては、成熟したファンとは言えません。

このような問題が続けば、制作側が実在の場所をモデルにすることを躊躇するようになり、結果的にファン自身が安心して巡礼できる場所を失うことにもなりかねません。作品への愛は大切ですが、誰かの日常を自分の「映え」のために踏みにじることのないよう、一人ひとりが心がけたいものですね。

via: togetter