新『エヴァ』最大の壁は「神曲」超え? 海外メディアが分析「ストーリーよりも主題歌が最大の挑戦」

アニメ界に衝撃が走りました。完全新作となる『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズの制作が発表されたのです。海外メディア『Polygon』の報道によると、なんと本作では『NieR』シリーズの生みの親であるヨコオタロウ氏が、庵野秀明氏から脚本を引き継ぐとのことで、ファンの間で大きな注目と議論を呼んでいます。

もちろん、物語の時系列がどうなるのか、旧作や『新劇場版』と繋がるのかといった点も気になるところですが、『Polygon』はそれ以上に乗り越えるのが困難な壁があると指摘。それは、ずばり音楽です。

『Polygon』によれば、新作が直面する最大の難関は、ストーリー設定やキャラクターの再構築ではなく、いかにして「残酷な天使のテーゼ」に匹敵するオープニングテーマを生み出すか、という点にあるそうです。1995年に生まれたこの名曲は、もはやアニメという枠を超え、J-POP史に燦然と輝く金字塔。同メディアは、この曲がトリプル・プラチナ認定を受け、JASRAC(日本音楽著作権協会)のランキングでも首位を獲得した、日本で最も商業的に成功した楽曲の一つであると紹介しています。

記事では、作詞を手掛けた及川眠子氏が、当時『エヴァ』についてほとんど知識がなく、企画書と冒頭2話に目を通しただけで詞を書き上げたという有名なエピソードにも言及。曲名のインスピレーションも、萩尾望都先生の漫画『残酷な神が支配する』から得たものだったと振り返っています。

ボーカルの高橋洋子さんもまた、ストーリーを深く理解しないままレコーディングに臨んだそうですが、楽曲は奇跡的にも世代を超えて語り継がれる一曲となりました。このことから海外メディアは、歌詞が必ずしも物語と完全に一致しているわけではないものの、作品に強烈なエネルギーを吹き込み、『エヴァ』を社会現象にまで押し上げる一助となったと分析しています。

新作の音楽は、『NieR』シリーズのコンポーザーである岡部啓一氏が担当します。『Polygon』は、『NieR』の音楽が持つミステリアスで物悲しい作風は、公開された予告映像の雰囲気にも通じるものがあると指摘。しかし、新曲がどれほど素晴らしいクオリティであったとしても、視聴者は否が応でも「残酷な天使のテーゼ」と比較することになるでしょう。この期待感そのものが、クリエイターにとってとてつもないプレッシャーになるはずだと、記事は締めくくっています。

ストーリーの方向性や、物議を醸してきた結末の解釈についてはどうでしょうか。海外メディアは、庵野秀明氏がかつて『エヴァは新しい世代のクリエイターにバトンを渡し、自由に作ってほしい』と語っていたことに触れ、ファンもオープンな心で受け止めるべきかもしれないと述べています。しかし、本当に『エヴァ』そのもののように巨大な挑戦となるのは、あの伝説的な一曲を、一瞬でも忘れさせてくれるような全く新しい主題歌を創り上げることなのかもしれません。


via: Polygon