ゲーム史の伝説級アイテムが博物館に! 幻のハード『Nintendo PlayStation』プロトタイプが正式収蔵

アメリカの国立ビデオゲーム博物館(National Videogame Museum、以下NVM)が、とんでもないお宝をゲットしたと発表し、ゲーム業界に衝撃が走っています! そのお宝とは、ゲーム史に燦然と(?)輝く伝説のハード、「Nintendo PlayStation」のプロトタイプ機です。今回収蔵されたのは、現存が確認されている中で最も古い個体とみられ、当時の開発テストで実際に使われていた“ガチ”のオリジナルシステム。まさに、ゲーム史における最も有名な「もしも」を体現した一台と言えるでしょう。

NVMは公式SNSでこのビッグニュースを報告し、本体の写真も公開。「NVMは伝説のNintendo PlayStationを入手しました。この“Sony MSF-1”は、現存が確認されている最古の個体であり、ソニーがスーパーファミコンのCD-ROMアダプタとして開発していたオリジナルのシステムです」とコメント。さらに、「現時点で存在が確認されている唯一の機体であり、ゲーム史における“if”を象徴する最もアイコニックな存在の一つが、NVMのコレクションに加わりました」と、その歴史的価値を強調しています。

そもそも「Nintendo PlayStation」とは何ぞや? という方のために少し解説を。その誕生は1990年代初頭にまで遡ります。当時、ソニーと任天堂は、スーパーファミコンでCD-ROMソフトを遊べるようにする拡張機器の共同開発を進めていました。このプロジェクトを率いていたのが、のちに“プレイステーションの父”と呼ばれることになる、ソニーの久夛良木健氏です。

この夢のコラボのために、数百台ものプロトタイプ機が作られたと言われています。しかし、開発の裏で任天堂がフィリップスとも同様の提携交渉を進めていたことが発覚。これが引き金となり両社の関係は急速に悪化し、世紀のプロジェクトはまさかの破談となってしまいました。

ちなみに、任天堂が乗り換えたフィリップスとのCD-ROM計画も結局は頓挫。ですが、この一件で得た技術と経験、そして何より“悔しさ”をバネに、ソニーは自社でのゲーム機開発へと舵を切ります。そう、これが後の初代『プレイステーション』誕生に繋がるわけですね。歴史のifを考えると、なんとも感慨深いものがあります。

これまでにも、いくつかの「Nintendo PlayStation」プロトタイプがオークションなどに出品され、話題を呼んできました。前述の久夛良木健氏も一台所有していることが知られています。しかし、今回NVMが収蔵した個体は、それらとは一線を画す超レアもの。というのも、製品化に近いテスト機ではなく、開発の初期段階で使われていた“ガチの”開発機そのものだからです。公開された写真を見ると、そのデザインは非常に無骨で、まさに「業務用機材」といった趣。機能性を最優先したであろうその姿は、プロジェクトがまだ手探りの段階であったことを物語っています。

NVMは、将来的にこの貴重なマシンを一般公開し、多くのゲームファンや研究者に、ゲーム史の重要な1ページをその目で確かめてもらう機会を設けたいとしています。もしこのマシンが世に出ていたら、今のゲーム業界は全く違う景色になっていたかもしれません。そんな「Nintendo PlayStation」のような“歴史のターニングポイント”に存在した幻のハードは、これからもゲームファンの心を掴んで離さない、最高のロマンであり続けることでしょう。


via: IGN