SNSの普及で創作者と読者の距離がグッと近くなった昨今、それに伴うトンデモな問題も増えているようです。最近、日本の漫画家たちが相次いで苦言を呈しているのが、海賊版サイトで作品を「タダ読み」している読者からの理不尽な要求。お金を1円も払っていないにもかかわらず、DMなどでストーリー展開に口を出し、果ては感情的に「カップリング(CP)を変えろ」と迫ってくるというのです。これには先生方も「まずはお金を払ってから言え!」と怒り心頭の様子です。
この議論のきっかけとなったのは、BL漫画家の由依子先生(@YUIKO00)がX(旧Twitter)に投稿した、ある観察でした。先生は、読者のコメントの質と、彼らが作品を読む手段との間には、驚くほど明確な相関関係があると指摘します。「正規ルートで課金してくださる読者さん、合法的に無料で読んでくださる読者さん、そして海賊版サイトで読んでる輩。この三者のコメント内容は、驚くほどハッキリと傾向が分かれます。どう違うかは言いませんが…まあ、お察しの通りです」
▼由依子先生の作品『前略、お兄ちゃんは聖女になりました。』
由依子先生はさらに、特にキャラクター設定を攻撃したり、作者に勝手なレッテルを貼ったりする人々のほとんどは海賊版読者だと断言。そうした人々は「異文化を理解する能力」や「空気を読む力」に欠けており、描かれていないキャラクターの心情を想像することすらできない、と分析しています。


この意見に、漫画原作者の那珂山みちる先生(@kanigakuitai)も深く共感。海外の海賊版サイト経由で無料で作品を読んでいる読者ほど、意見が多く、作者へのリスペクトに欠ける態度が目立つと語ります。中には「もしこのCPを成立させないなら、お前は漫画家失格だ!」といった、脅迫まがいのメッセージを送ってくるケースもあるのだとか。これに対し、那珂山先生も「海外にファンがいるのはもちろん嬉しいですが、タダで読んでるくせにやたらと指図してくるのは勘弁してほしい。せめて少しはお金を出してサポートしてほしいものです」と、正直な気持ちを吐露しています。
▼那珂山みちる先生が原作を手がける『負けヒロインを勝たせたい!!』
こうした常識外れな要求に対し、那珂山先生は容赦しません。「海賊版で読んでるヤツには、日本人だろうが外国人だろうが、こっちの態度はひとつだけ。『黙ってろ』って言うだけです」と、毅然とした態度で一蹴しているそうです。
漫画家たちの悲痛な叫びに対し、各国のファンからは応援の声が殺到。また、あるユーザーからは「お金を払って読むと、『自分が払ったお金を無駄だったと思いたくない』という心理が働くから、レビューは好意的になりがち。でもタダだとその心理的なブレーキがないから、感想がよりストレートで辛辣になるのでは」という鋭い分析も寄せられました。

結局のところ、話は「好きなら応援しよう」というシンプルな結論に尽きます。創作者が活動を続けていくための何よりの原動力は、ファンによる正当な購入とサポートです。漫画家だって、霞を食べて生きているわけではありませんからね。
もちろん、読者がストーリー展開を好まないことはあるでしょう。しかし、もし本当に不満があるなら、そっと作品から離れるのが大人の対応というもの。海賊版サイトのスクリーンショットを片手に、心血を注いでいる作者に上から目線で指図するなんて、もってのほかです。