『デジモン』角銅博之監督、幻の続編『BEYOND』の未公開テキストを公開! 『tri.』や『絆』とは異なるパラレルワールド展開を示唆

『デジモンアドベンチャー』シリーズを手掛けたことで知られるアニメ監督の角銅博之氏が、自身のブログで長文を公開し、ファンの間で大きな話題となっています。昨年、心筋梗塞で緊急手術を受け、生死の境をさまよった経験を振り返るとともに、短編映像作品『デジモンアドベンチャー BEYOND』のこれまで明かされていなかった「バックグラウンドストーリー」を初公開。さらに、シリーズの世界観に対する自身の考えを語りました。

角銅監督はブログの中で、『BEYOND』は元々、近年の劇場版続編2作品に不満を感じていたファンに向けて書かれた、短い企画から始まったものだと明かしています。監督自身もこれらの作品が必ずしも自分の期待に沿うものではなかったと正直に告白しており、それが物語を補完したいという思いにつながったとのことです。

この短編は2025年3月に約4分間の映像として公開されましたが、本来完成していた長編テキストは、運営方針の変更により公式な形での発表が見送られていました。

しかし、突然の大病が監督の考えを変えました。「この文章を公開しないまま死んでしまうかもしれない」と率直な心境を吐露し、当初の公式発表を待つという計画を撤回。物語を本当に待ち望んでいたファンが読めるように、自身のプラットフォームで分割公開することを決意したのです。

世界観の設定については、ファンの間で「パラレルワールド説」とも解釈される概念を提唱。角銅監督は他の作品の存在を直接否定はしていないものの、『BEYOND』とそのテキストの独立性を強調することで、物語が近年の劇場版から続く時間軸の上にはないことを示唆しています。むしろ、原作の精神に立ち返り、あり得たかもしれないもう一つの未来を描く路線とのことです。

このアプローチにより、『BEYOND』は『デジモンアドベンチャー』本編に連なりつつも、『デジモンアドベンチャー tri.』、『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』、そして『デジモンアドベンチャー02 THE BEGINNING』とはある種の分岐をみせる物語となっています。


さらに、監督はタイトルの「13+」という設定にも言及。物語の主な舞台が2013年であることを示し、「+」には別の意味が込められており、後日説明するとも語っています。このデザインは、シリーズがこれまで年号をタイトルに冠してきた伝統を踏襲しつつ、新たな物語への広がりを予感させるものと見られています。

今回の角銅監督の発言は、近年の作品を真っ向から批判するものではありませんが、創作の動機や世界観の切り分けを通して、シリーズの今後の展開に対する異なるビジョンを示したものと言えるでしょう。今後続々と公開される背景ストーリーによって、この「もう一つの時間軸」ともいえるデジモンの物語が、どれだけ多くのファンの共感を得られるか、注目が集まります。

via: 錆びた館分館2