『パズル&ドラゴンズ』をはじめ、『サモンズボード』や『ケリ姫スイーツ』の開発、さらには『ラグナロクオンライン』の運営なども手掛けるガンホー・オンライン・エンターテイメント(以下、ガンホー)。その収益は決して悪くないものの、このたびメディアで報じられた株主総会では、大株主であるストラテジックキャピタルから株主提案が提出され、経営効率、社長の報酬、配当政策など多岐にわたる問題点が指摘され、改革を求められていることが明らかになりました。

ストラテジックキャピタルが指摘するところによると、ガンホーの2023年度営業利益は2014年比で約70%も減少しているにもかかわらず、森下一喜社長(CEO)の報酬はなんと約2.8倍に跳ね上がり、3.4億円に達しているとのこと。これは任天堂の社長と同水準であり、報酬制度として不合理だと疑問を呈しています。
さらに、『パズル&ドラゴンズ』(パズドラ)が2012年にリリースされて以降、ガンホーはなんと1000億円以上を投じて約20タイトルもの新作を開発してきたものの、新たなヒット作を生み出すには至らず、苦戦を強いられている現状も浮き彫りに。また、手元にキャッシュを抱え込みすぎているため、経営に緊張感が欠けていると株主は批判。ストラテジックキャピタルは、配当性向の引き上げを求め、より積極的な経営を促しています。
▼ かつてガンホーがリリースした『ディバインゲート』は2013年にサービスを開始したものの、2018年には惜しまれつつサービス終了。他にも、なかなか主流市場に食い込めないタイトルが少なくありません。

過去10年間で、ガンホーの株主総利回りは日本の大手ゲーム会社の中で唯一マイナス成長を記録。にもかかわらず、CEOの報酬は利益水準が10倍以上もある任天堂のCEOと同等という状況。株主総会では、CEOの固定報酬を減らし、業績連動報酬を強化すべきだと提言されています。
さらに、ガンホーの現金預金はなんと1400億円にも上り、仮に今後10年間新作がヒットしなくても経営が維持できてしまうという「過度な安心感」が問題視されています。株主は、配当の引き上げによって遊休資金を解消し、より活性化したゲーム経営戦略で開発効率を高めるよう求めています。

ガンホーは元々、MMOオンラインゲームを主軸としており、その頃の会社規模は現在よりもはるかに小さかったんです。2015年~2016年以降は、時価総額も利益も安定しており、継続的な下落は見られないため、2014年の飛躍期と現在を比較するのは少々酷な面もあるかもしれません。
また、単一の人気タイトルへの過度な依存は、実はゲーム業界全体に共通する課題であり、ガンホーだけが抱える問題ではありません。ただ、ガンホーは他のゲーム会社のように家庭用ゲーム機で定期的に新作をリリースするわけではなく、常に新しいIPを開発し続ける必要があるため、その点は異なります。ゲーム産業自体が高リスクな博打であり、成功率は極めて低いことを考えると、一つの象徴的なタイトルを生み出せただけでもすごいこと、とも言えます。

このニュースは、日本のゲームファンの間でも少なからず話題になっています。ガンホーが株主からの厳しい指摘にどう向き合い、どのような変革や戦略を打ち出してくるのか、今後の動向に注目が集まりますね。
via: Business Journal