『ポケカ』アプリ大ヒット&ベイスターズ日本一!DeNAが巨額赤字からV字回復で株価ストップ高の快進撃

昨年リリースされた、ポケモンカード初のスマートフォン向けアプリ『Pokémon Trading Card Game Pocket(以下、PTCGP)』が、世界中で大ヒットを記録しています。1月末には新たな拡張パックも登場し、白熱の対戦やカードコレクションが大きな話題を呼んでいます。

そして2月10日、この『PTCGP』を開発したDeNAの株価が東京株式市場で急騰! なんとストップ高(一日の値幅制限の上限)を記録し、昨年来高値を更新しました。この快進撃の背景を、経済メディア『日刊SPA!』で金融ライターの鈴木林太郎氏が分析。同社が「赤字からのV字回復」を遂げ、市場の注目の的となった理由に迫っています。

▼ DeNAの直近1ヶ月の株価推移。

DeNAの快進撃を裏付けたのが、2月7日に発表された決算内容です。最終損益はなんと157億円の黒字となり、前年同期の312億円の赤字から、実に469億円もの劇的な改善を達成。このドラマチックなV字回復は市場に大きなサプライズをもたらしました。

その最大の要因は、言うまでもなくスマホゲーム『PTCGP』の大ヒットによる収益増です。さらに、DeNAがオーナーを務めるプロ野球球団・横浜DeNAベイスターズが昨シーズンに日本一を達成したことも、観客動員数の増加につながり、業績を大きく後押ししました。

近年のスマホゲーム市場は、まさに群雄割拠の戦国時代。新作がヒットするのは至難の業です。そのため、多くのアナリストはDeNAのゲーム事業の先行きに懐疑的で、「新たなヒット作を生み出すのは難しい」との見方が大勢でした。しかし、DeNAは『ポケモン』という世界的な超強力IPを武器に、この逆境を覆します。スマホで手軽にカード対戦が楽しめるという、ファンにとってはお馴染みでありながらも新しい体験を提供したことでプレイヤーの心を鷲掴みにし、瞬く間に大ヒットへと駆け上がったのです。

さらに、『Pokémon TCG Pocket』の成功の秘訣は、従来のスマホゲームにありがちな「ガチャ課金」とは一線を画す点にもあります。本作が採用しているのは、物理カードと同じ「カードパックを開封する」というモデル。これは、単に強力なキャラクターを手に入れるための課金ではなく、プレイヤーの「コレクションしたい」という欲求を強く刺激します。このシステムが、ポケモンカード本来の「集める楽しさ」という本質と見事にマッチ。SNSでは「キラカード出た!」といった開封報告が飛び交い、ゲームの人気をさらに加速させているのです。

ゲーム事業だけでなく、DeNAのもう一つの柱であるスポーツ事業も素晴らしい成績を収めています。2024年4~12月期の売上高は264.5億円と、前年同期比で11.8%もの増加を記録。これは主に、本拠地である横浜スタジアムへの観客動員数が大幅に回復し、チケット収入や飲食、グッズ販売が好調だったことが要因です。そして何より、2024年シーズンには26年ぶりとなる悲願の日本一を達成し、まさに名実ともに最高のシーズンとなりました。

もちろん、今後の見通しがすべて楽観的なわけではありません。『Pokémon TCG Pocket』の熱狂が今後も続くのか、そして球団経営が安定した収益を上げ続けられるのか、といった点は引き続き注視していく必要があります。とはいえ、今回の決算は、DeNAの多角化戦略が着実に実を結び始めたことを証明しました。見事に業績と市場からの信頼を回復した同社の今後の展開から、目が離せませんね!


via: 日刊SPA!