マーベル元編集長で伝説的コミック作家ジム・シューター氏が73歳で死去、14歳でデビューし数十年アメコミ界に影響

アメリカン・コミック界の重鎮、ジム・シューター氏が食道がんで逝去した。享年73歳。コミックライターのマーク・ウェイド氏が、シューター氏が長年病と闘っていたことを明かしている。

14歳でDCコミックスの脚本家としてデビューし、後にマーベル・コミックスで最も影響力のある編集長の一人となったジム・シューター氏。彼の生涯は、創作と編集の両面でコミック業界に計り知れない貢献をし、かけがえのない足跡を残した。 

ジム・シューター氏の伝説は1960年代に始まった。13歳の時、彼は『リージョン・オブ・スーパーヒーローズ』の2部構成の物語を書き上げ、当時DCの著名な編集者だったモート・ワイシンガーに送った。当時の画力は未熟だったものの、驚くことに採用され、プロのアーティストが彼のラフスケッチに基づいて作画するよう指示されたという。この物語は後に『アドベンチャー・コミックス』#346に掲載され、さらにカラテ・キッド、プリンセス・プロジェクタ、フェロ・ラッド、ネメシス・ラッドという4人の新キャラクターを大胆に追加し、その創造的な野心を示した。

ジム・シューター氏はすぐにDCの主力脚本家の一人となり、スーパーマンの宿敵「パラサイト」 や、コミック史上初のスーパーマンとフラッシュの競走対決を生み出した。 一時的に業界を離れて広告業界に転身したものの、23歳でコミック界に復帰し、DCとマーベルの両陣営で要職を歴任した。

1978年、ジム・シューター氏は27歳という若さでマーベル・コミックスの編集長に就任した。彼は就任後、編集体制の強化など多くの制度改革を推進し、出版の遅延問題の解消に貢献した。また、直販コミック市場を積極的に開拓し、『シークレット・ウォーズ』 といった史上ベストセラーとなったクロスオーバー作品を推進した。この時期、マーベルからはクリス・クレアモントとジョン・バーンによる『X-メン』 、ウォルト・サイモンソンによる『ソー』 、フランク・ミラーによる『デアデビル』 など、数々の名作シリーズが誕生した。

1987年にマーベルを退社した後、彼はヴァリアント・コミックスを設立し、オリジナル作品である『ソーラー』 や『マグナス:ロボットファイター』 などを発表し、大規模な共有ユニバースを築き上げた。後に会社を追われることになったが、その後もディファイアント・コミックスやブロードウェイ・コミックスを設立し、常に革新的な空間を追求し続けた。

2000年代後半には、再びDCで『リージョン・オブ・スーパーヒーローズ』 の執筆を手がけ、ダークホースコミックス と協力してクラシックキャラクターを再展開するなど、現在でもコミック業界で最も議論を呼ぶと同時に、最も先見の明を持つクリエイターの一人として認識されている。

ジム・シューター氏の逝去はコミック界に深い悲しみをもたらし、多くの業界関係者やファンが、彼がアメリカン・コミックに残した多大な影響に追悼の意を表している。


via: CBR