『サイレントヒルf』、メディア・ファンから「これぞサイレントヒル!」と絶賛の嵐! しかし海外メディアPolygonは「小島監督が作らなくて良かった」とまさかの発言、その真意に迫る

「サイレントヒル」シリーズ最新作『サイレントヒル f』が発売され、多くのメディアやファンの間で大きな話題となっています。そんな中、海外ゲームメディア『Polygon』がレビューで「本作はシリーズならではの雰囲気をしっかり受け継いでいる。そして何より、このゲームが小島秀夫監督の手で作られなくて本当に良かった」と、なんともパンチの効いた意見を表明し、注目を集めています。

同メディアによると、当初、舞台がおなじみのアメリカの架空の町「サイレントヒル」ではなく日本になると聞いた時は、正直なところ不安を覚えたファンも少なくなかったようです。しかし、実際にプレイしてみると、コナミがシリーズの神髄を見事に捉えていることがわかった、と評価しています。

レビューでは、舞台が日本の「戎之丘」に移っても、『サイレントヒルf』はシリーズ特有の寂寥感や陰鬱な雰囲気をしっかりと表現しており、美しくも恐ろしいゲーム体験を生み出していると強調されています。

その一方で、『Polygon』は、小島秀夫監督が2014年に発表したプレイアブルティーザー『P.T.』について、当時世界中に衝撃を与えたものの、あれはあくまで優れたホラーゲームの実験作であり、本当の意味での『サイレントヒル』ではなかった、と指摘しています。

その理由として、『P.T.』は頻繁なジャンプスケア(びっくり演出)に頼りすぎており、シリーズ最大の特徴である「じわじわと積み重なる恐怖」が欠けていたと分析。『サイレントヒル』の真の恐怖とは、ゲームを終えた後も心にまとわりつくような圧迫感であり、単なるスクリプトによる瞬間的な驚かせではない、と述べています。

『Polygon』はまた、『P.T.』がコジマプロダクションによって開発され、ギレルモ・デル・トロ監督との共同制作、さらに俳優のノーマン・リーダスが主演を務めた点にも言及。この豪華な布陣は話題性こそあったものの、「ごく普通の一般人が主人公」であることに慣れ親しんだシリーズファンにとっては、スター俳優の起用は違和感があり、かえって没入感を削いでしまったと指摘。「これはシリーズの精神に沿ったものではなく、小島監督の『俺が追加したいから追加した』的なクリエイティブな選択に過ぎない」と、かなり手厳しい評価です。

さらに、『Polygon』は、小島監督の作品スタイルは極めて強い作家性が特徴であると指摘。例えば『DEATH STRANDING(デス・ストランディング)』では、監督お気に入りの俳優や著名人が多数起用され、キャラクター名と同時に演者の実名が表示されることもありました。こうした手法は実験的で面白いものの、『サイレントヒル』のような心理的恐怖を扱うゲームでは、雰囲気を台無しにしかねないと懸念を示しています。

レビューでは、『P.T.』自体はホラーゲームとしての高いポテンシャルを示したものの、もしあれが完全な製品版として開発されていたら、長大なカットシーン、独特すぎるセリフ回し、そしてスター俳優のオンパレードといった要素満載のゲームになっていた可能性が高い、と推測。それはもはや、圧迫感と雰囲気作りを重視する『サイレントヒル』とは別物になっていただろう、としています。

そのため、『Polygon』は「『P.T.』は良いゲームになったかもしれないが、良い『サイレントヒル』にはならなかっただろう」と断言しています。

記事では、小島監督が現在開発中のXbox独占タイトル『OD』にも触れています。同作では再びハリウッドの監督とタッグを組み、ソフィア・リリスやハンター・シェイファーといったスターが出演するなど、公開されている情報からも『P.T.』の延長線上にある作風がうかがえます。この新作への期待は大きいとしつつも、『サイレントヒル f』を小島監督の新たな実験場にせず、日本の文化的ルーツに回帰させたコナミの判断は正しかった、と結論付けています。

同メディアは最後に、『サイレントヒルf』はシリーズの最も重要な精神である「ゆっくりとした進行、雰囲気による圧迫感、そして心理的恐怖」を完璧に体現していると締めくくりました。これに対し、もしシリーズが小島監督の手に渡っていたら、それは真の『サイレントヒル』ではなく、「ノーマン・リーダスが主演する、ただのびっくりお化け屋敷」に近くなっていたかもしれない、と痛烈な言葉でレビューを終えています。


via: Polygon