『幽☆遊☆白書』の蔵馬や『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジ、そして近年の『呪術廻戦』乙骨憂太など、数々の人気キャラクターを演じてきた声優の緒方恵美さん。デビューから30年以上経った今もなお、第一線で活躍し続けています。
先日、緒方さんがABEMAの番組『SHIBUYA ANIME BASE』に出演。そこで語られた、『新世紀エヴァンゲリオン』で主人公・碇シンジを演じていた当時、監督の庵野秀明さんとの間にだけ存在した、忘れられない思い出が話題を呼んでいます。

1992年に『幽☆遊☆白書』の蔵馬役で本格的にデビューした緒方さん。1995年に演じた『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジは、当時30歳だった彼女のキャリアにとって、大きなターニングポイントとなりました。
当時の役作りについて、緒方さんは「14歳の役をやるためには、14歳の気持ちを失ってはいけないとずっと思っていた」「それを保ち続けることだけが、自分の存在価値だと思っていた」と、その心境を赤裸々に告白。そして、その苦しみを唯一理解してくれたのが、庵野秀明監督だったと語ります。

緒方さんは、劇中で「綾波レイを助けに行く」シーンの収録後、疲れ果てて床にへたり込んでしまった時のことを回想。すると、庵野監督が駆け寄ってきて、こう声をかけたそうです。「14歳のままでいてくれてありがとう。緒方さんがそうであってくれたから、このフィルムは完成したんです」
この言葉に、緒方さんは「そのことに気づいてくれたのは庵野さんだけだった。この作品に関わることができて、本当に良かったとその時思った」と、当時の感動を語りました。

さらに、庵野監督が昔から「ライブ感」を非常に大切にしていたことにも言及。「『エヴァ』は、関わった人間全員にとって、リアルタイムで進行する“ドキュメンタリー”だった」と振り返ります。緒方さんの作品への深い没入と、庵野監督との言葉にできないほどの厚い信頼関係がうかがえます。
この作品が、今なお声優界の第一線で活躍し続ける彼女のキャリアにおける、大きな転機となったことは間違いないでしょう。
via: ナリナリドットコム