ついに公開を迎えた劇場版アニメ『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』第2部。公開直後からファンの間で大きな話題を呼んでいます。
今回は、ギギ・アンダルシア役を演じる声優・上田麗奈さんに独占インタビュー!第2部で描かれる物語の魅力や、ギギというキャラクターの変化について、たっぷりとお話を伺いました。

以下、インタビューの模様をお届けします。
Q:三部作の第2部ということで、物語の雰囲気も変化したように感じます。最初に小説や脚本を読んだ際、本作にどのような印象を受けましたか?
上田:ひと言でいうと、「すごく青春の物語になったな」と感じました。物語はハサウェイとギギが離れた状態で進んでいくのですが、二人それぞれに悩みや葛藤、ドラマがあって、その一つひとつに“若さゆえのきらめき”のようなものを感じたんです。
大人が見ても共感できる部分がたくさんありますし、シーンによっては都会的な恋愛ドラマを見ているような感覚にもなりましたね。
Q:第2部で、ハサウェイやギギに対する印象に変化はありましたか?
上田:第2部のハサウェイは、第1部の頃よりも、もっと「今そこにある具体的な問題」に対して悩んでいる印象が強くなりました。第1部の彼は、自分が何に悩んでいて、なぜ傷ついているのかさえ本人もよく分かっていないような、常に霧がかっている感じだったんです。その印象が、第2部では大きく変わりましたね。
対照的に、ギギは第1部のような掴みどころのない、ぼんやりとした雰囲気を引きずっています。むしろ、第2部のギギのほうが、ある意味で第1部のハサウェイに近いのかもしれない、と感じました。


Q:第2部まで演じてみて、上田さんが思うギギの一番の魅力はどこでしょうか?
上田:彼女は「すべてを見透かして、人を手のひらの上で転がしている」ような全能感がありながら、同時に普通の少女としての一面も持っている。そのバランス感覚が本当に魅力的だと思います。
実際に第2部までアフレコを終えて感じたのは、第1部のギギは、いろいろなことを諦めた末に出来上がったキャラクターだったのかな、ということです。でもハサウェイと出会ったことで彼女は変化し始めて、より普通の女の子らしい一面を見せてくれるようになりました。ハサウェイ役の小野賢章さんも、ポロッと「彼女、実は普通の恋がしたかったんじゃないかな?」とおっしゃっていたんです。
Q:その「普通の恋」というのは、具体的にはどういうことでしょう?
上田:実は私自身、アフレコの時点では、ギギのことを「自分が進みたい道を選ぶために、どんな人が必要なんだろう?」と立ち止まって考えている状態として解釈していたので、それが恋愛だとは思っていなかったんです。でも、小野さんの言葉を聞いて、「え、もしかしてギギにとって、これって本当に恋だったのかも」ってハッとさせられて。その瞬間は結構な衝撃でした。
ギギ本人も、まだ自分の感情が恋だと気づいていないのかもしれない、とも思いました。まず言葉にして、行動してみて、後から答えをゆっくり理解していく感じが、いかにもギギらしいなと。自覚したり悩んだりする前に、直感で本質を見抜いてしまうんですよね。

Q:ハサウェイの悩み方とは、まったく対照的ですね。
上田:そうなんです。ハサウェイは葛藤をはっきりと見せますが、ギギは「悩んでいるのかどうか」すら曖昧な境界線の上で、静かにすべてを自分の中で消化していく。この対比が、第2部の大きな魅力だと感じています。
Q:ギギを演じる上で、特に意識したことや工夫された点はありますか?
上田:常に“マウントを取る”というか、「ハイヒールで相手の上に立って、踏みつけながら進んでいく」ようなイメージで演じていました。でも第2部に入って、その感覚に変化が出てきたんです。だんだんハイヒールを脱いで、裸足で地面を踏みしめ、その感触を確かめながら進んでいくような……より「人と触れ合っている」実感が出てきました。
Q:「ハイヒール」という表現、すごくしっくりきますね。
上田:自分の人生に他人が入ってくる、という感覚でしょうか。ギギは、人と関わるということを本当の意味で体験しているんだと思います。

Q:今回はセリフのテイクもかなり重ねられたそうですが、現場でのディレクションはどのような感じでしたか?
上田:監督からのディレクションが本当に多くて、一つひとつのシーンで何を言われたかほとんど覚えていないくらいです(笑)。とにかく収録中は、村瀬修功監督のイメージに近づけるように必死でした。なので、完成した映像でのお芝居は、私が最初に想像していたものとは、かなり違っていると思います。
Q:最終的にどのように方向性が決まっていったのでしょうか?
上田:いろいろなパターンを試した上で皆さんと相談することもあれば、監督から「那上田さん、自由にやってみてください」と言われて、そのテイクが採用されて、「そう、これがギギだよね」となることもありました。
Q:上田さんが最初に想定されていた演技は、どのようなものだったのですか?
上田:もっと感情の起伏が分かりやすくて、セリフとセリフの繋がりがはっきりしたお芝居を想像していました。例えば、ポジティブな感情や、ケネスに対する不満をもっと表に出すような。でも実際には「もっと淡々と」というディレクションをいただくことが多くて、最終的には、内心が読みにくく、思考の道筋も掴みづらいキャラクターになりました。セリフが一本の線ではなく、一つひとつの点がそこに置かれているようなイメージです。

Q:ギギは時代や社会に翻弄されやすいキャラクターですが、彼女の中に変わらない“核”のようなものはあると思いますか?
上田:ハサウェイに出会う前の彼女は、おそらく「パトロンの元で生きていくしかない」という現実を受け入れていて、自分の人生に対してどこか冷静で、冷めている部分があったと思うんです。でも、ハサウェイのように理詰めで考えるのではなく、直感で行動するタイプですよね。
だからこそ第2部では、その“核”が揺らぎ始める瞬間が描かれているんだと感じます。社会の中でどう上手く立ち回って生きていくか、だけではなく、「一人の人間として、どう生きたいか」を考え始める。最終的にどこへ向かうにしても、常に「誰かがそばにいてくれる」状態で行動するところが、すごくギギらしいなと思います。
Q:最後に、ギギの注目ポイントや、ファンの皆さんへのメッセージをお願いします。
上田:物語のラストで見せるギギの変化には、「ああ、やっとまたギギに会えた」と思えるような、ホッとする感覚がありました。気になる方は、ぜひ劇場で今回の『機動戦士ガンダム 閃光的ハサウェイ』をご覧いただき、キャラクターの魅力を感じていただけたら嬉しいです。

三部作の第2部として、物語がどう動いていくのか、そしてギギとハサウェイの関係がどう変化していくのか、ファンならずとも見逃せない展開となりそうです。ぜひ劇場でその結末を見届けてください!
via: CINRA