ネット普及前のオタクはどうやって情報収集してた? SNSで話題に「人脈・体力・コミュ力、全部使うガチ勢だった」

今やインターネットで、ありとあらゆるサブカル情報が手に入る時代。多くのオタクたちがネットを駆使して、日々の情報収集に励んでいます。しかし先日、日本のX(旧Twitter)である投稿が大きな話題を呼びました。そのテーマとは、「ネットがまだ普及していなかった時代、オタクはどうやってマニアックな資料や情報を手に入れていたのか?」というものです。

この議論のきっかけとなったのは、Xユーザーのタイプ・あ~るさん(@hitasuraeiga)による投稿です。「『昔は情報集めるのが大変だった』って言うけど、その当時でも『どうやってそんな資料手に入れたんだよ』って人がいて、そういう人こそが『オタク』って呼ばれてたんだよな」。この言葉に、当時を知る多くのユーザーから共感や補足情報が殺到。さながら日本のオタク文化の“考古学的記録”ともいえる貴重なやり取りが繰り広げられました。

あるユーザー(1960年代末生まれ)は、当時は人脈が命だったと振り返ります。先輩の中には、なぜか『ウルトラセブン』第12話のビデオや、自主制作特撮『DAICON FILM』の映像、果てはソフト化されていない激レア作品のテープを持っている猛者がいたそうです。別のユーザーからは、先輩がアニメ制作会社ゼネラルプロダクツ(ガイナックスの前身)から直接同人ビデオを取り寄せていた、という驚愕の証言も。その情報網の謎は深まるばかりです。

情報が限られていた時代、知識の王となるにはコミュニケーション能力が非常に重要だったと、多くの人が指摘しています。駅前の古物市で掘り出し物を探したり、店主との会話から「情報の仕入れ先は闇オークション」といった裏話を聞き出したりと、まるで諜報員のような足を使った地道な情報収集が必要だったようです。

さらに、「当時のガチオタは、実はコミュニケーション能力の化け物みたいな人が多かった。最強の情報源は口コミだったから」という指摘も。現代のオタク像とは異なり、とにかく行動力が重要だったことが伺えます。

友人やコミュニティとの交流だけでなく、当時のオタクは自転車で書店を駆け巡り、漫画雑誌はもちろん、声優のラジオ番組、果ては占い雑誌の小さなコラムまで隅々まで読み込み、有益な情報を探していました。

あるユーザーは、「昔は美少女漫画雑誌の編集後記とか、占い雑誌の小コラムで、とんでもなくマニアックな作品が紹介されたりした。食わず嫌いせず何でも読むヤツが最強だった」と語ります。アニメの裏設定が本編やラジオドラマの中に隠されていたり、ゲームの裏技も自力で丹念に探したりする必要がありました。

地方在住のオタクにとって、情報格差はさらに深刻な問題でした。中には、学割の新幹線で九州から東京へ「遠征」したり、船で大阪のゼネラルプロダクツを訪ねたりしたという猛者も。

当時はまさに、体力と人脈を駆使して情報を得る時代。オタクたるもの、家に引きこもっていては務まらなかったのです。行動力こそが全てでした。

一連のやり取りの中で、多くのユーザーが指摘するのが、当時「膨大な情報源を持つオタク」がコミュニティの「中心人物」として存在していたことです。彼らはサークルを作り、同人誌を発行し、上映会を主催し、時には自らクリエイターに取材して、一次情報をまとめた冊子まで作っていたといいます。

あるユーザーは、「私が初めて庵野秀明を知ったのは、大学のサークルで観たDAICONアニメのダビングビデオでした。あれは1985年のことです」と当時を振り返ります。その頃はまだ「オタク」という言葉はありませんでしたが、すでに同じような興味を持つ人々が集まり、交流するコミュニティが形成されていたのです。

多くの人が、当時はそうした人々を「マニア」や「コレクター」、「事情通」などと呼んでいたと回想します。まだ「オタク」という言葉すらなかった時代です。その後、深い知識を持つ人々を総称して「オタク」という言葉が使われるようになりました。世間がまだサブカルチャーに理解のなかった時代、彼らは時に奇異の目で見られながらも、コミュニティ内では畏敬と憧れの対象だったのです。

WikipediaもYouTubeもなく、パソコンすら普及していなかった時代。彼らは、

️ 情報への情熱+行動力+人脈+雑誌やラジオを読み解く探求心
️ イベントに足を運び、先輩に教えを乞い、仲間を作り、自転車や公共交通機関で全国を駆け巡る
️ あらゆる手段でアニメやゲームの知識を吸収し、コミュニティの中心人物となっていく

その姿は、現代の「オタク」のイメージとは少し異なり、まさに「好き」のためなら、あらゆる手段を尽くして知識を追い求める求道者と言えるかもしれません。

ちなみに、島本和彦先生の漫画『アオイホノオ』には、当時のクリエイターたちの熱気がリアルに描かれています。数々の有名漫画家やアニメーターも登場し、この時代の空気感をよりダイレクトに感じられるはず。未読の方はぜひチェックしてみてください!



via: togetter