『GQuuuuuuX』鶴巻和哉監督&脚本・榎戸洋司が制作秘話を語る!「ラスボスが白いMSなのは最初から決まっていた」と明かす

ガンダムシリーズ最新作『機動戦士ガンダム GQuuuuuuX』が、今週6月25日に最終話を迎え、約3ヶ月、全12話にわたる物語が完結しました。そして早くも昨日6月28日には、先行劇場版『機動戦士ガンダム GQuuuuuuX -Beginning-』の再上映がスタートしています。

昨日6月28日に行われた再上映記念舞台挨拶には、マチュー役の黒沢ともよさん、脚本・シリーズ構成の榎戸洋司さん、そして鶴巻和哉監督が登壇。ファンに向けて、数々の制作秘話を語りました。

テレビアニメが完結したばかりということで、トークは制作の裏話に。榎戸さんによると、今回の制作チーム最大の弱点は、「全員がアクセルしか踏まない」ことだったとか。誰もブレーキ役を担う人がいなかったため、少々突飛な設定が出てきても、誰も止めなかったそうです。しかし、それはスタッフ全員が宇宙世紀ガンダムを愛しているからこそ。その熱意がぶつかり合い、本作ならではの火花が生まれたと語りました。

また、本作で高い人気を誇る「緑のおじさん」ことシャリア・ブルについて、鶴巻監督は「最初から榎戸さんと相談して登場させたいと話していました」と告白。小説版で描かれた「木星から来た男」というキャラクターが昔からお気に入りで、今回ガンダムの物語を手がけるなら、絶対に彼を登場させようと決めていたそうです。

以前、同じく本作の脚本に参加している庵野秀明さんがX(旧Twitter)で第9話に登場したララァ・スンについて「当初はあの女性キャラではなかった」と投稿していましたが、これについて榎戸さんが真相を明かしました。当初の案では、「ミハル・ラトキエ」と「カイ・シデン」のコンビが登場する予定だったとのこと。しかし、鶴巻監督の反応は今ひとつだったようです。

その後、結婚を控えていた「マチルダ・アジャン」と「ウッディー・マルデン」のカップルも候補に挙がりました。どちらの案も、地球に降下したマチューを導く役割を想定していたそうです。

しかし議論を重ねる中で、「マチューに愛の形を見せるのが目的だが、彼女には既に完璧な家庭がある。ありふれたカップルを見せるよりも、もっと違う形の愛から学ぶ方が面白いのではないか?」という考えに至ったそうです。その結果、最終的に「ララァ・スン」に白羽の矢が立ちました。

ララァの物語を描くにあたり、彼女が娼館にいたという設定をベースにすることが考えられました。榎戸さんは「ロボットアニメでそんな設定、本当に大丈夫か?」と内心ヒヤヒヤしていたそうですが、鶴巻監督はこの案を気に入り、富野由悠季監督が執筆した小説『密会―アムロとララァ』を背景として物語を構築していきました。

さらに、第11話で描かれたシャアの「赤い士官服」への魔法少女のような変身シーンについて。榎戸さんによると、鶴巻監督から「シャアをマスク付きの赤い士官服で登場させたい。でも、自分で服を用意して着替えるのは何か違うし、そういう段取りは嫌だ」という電話があったそうです。それに対し、榎戸さんは「じゃあ、変身させちゃえばいいじゃないですか?」と返答。突飛なアイデアに思えますが、ゼクノヴァ現象を受け入れられるなら、変身して着替えるのもアリだろう、という流れになったと笑いを誘いました。

最終話の話題では、鶴巻監督が「実はミスを犯してしまった」と告白。異なる宇宙でシャアが搭乗したゲルググ、グフ、ヅダ、ビグロ、ビグ・ザム、ガルバルディβ、そしてサザビー(やましたいくと版)といった無数の機体が白いMSに敗れるシーンについてです。

監督は「よく考えたら、一部の機体は宇宙世紀の時系列に合っていない」と反省。これは自身の「悪いオタク」な部分が出てしまった結果だと語り、「個人的に一番好きなMSがゲルググなので、見せ場を作りたかったのですが、詰め込みすぎて考証を疎かにしてしまいました。古参のガンダムファンの中には納得できない方もいたはず。この点は反省しています」と述べました。

また、最終話のラスボスである「白いガンダム」について、榎戸さんは「この展開は最初から決まっていました」と明かしました。ジオンが一年戦争に勝利したifの世界が舞台である以上、やはり最後はファーストガンダムで締めたいという思いがあったそうです。

しかし、U.C.0085という時代設定の中で、U.C.0079の初代ガンダムをいかにして「旧式の骨董品」ではなく、脅威的な存在として描くかという課題がありました。榎戸さんは「分身とか増殖とか、色々なアイデアを考えましたが、他の作品で既にやられている。残された選択肢は『巨大化』だけでした。だって、富野さんのガンダムですからね。これくらいハッタリが効いてないと」と笑顔で語りました。

巨大化のアイデアを聞いた当初、鶴巻監督はあまり乗り気ではなかったものの、最終的には折れたとのこと。「ガンダム作品で『巨大化』は禁じ手だと思っていましたが、実際の観客の皆さんが『うわー!デカくなったー!』と盛り上がっているのを見て、正直気持ちよかったです。富野ファンなら、この展開も納得できるはず」とコメント。さらに、「富野監督の別作品である『聖戦士ダンバイン』の巨大化へのオマージュでもあります」と付け加えました。これには黒沢さんも「私もアフレコの時、本当にこんなに大きくなるんだってビックリしました(笑)」と笑顔で応えました。

約3ヶ月、全12話で幕を閉じた『機動戦士ガンダム GQuuuuuuX』。制作陣の口から語られることで、より深く楽しめるエピソードがたくさんありそうですね。まだまだファンが気になる謎は尽きないと思いますが、今後の公式設定資料集などの展開に期待しましょう!

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