「スペース・エース」の異名で世界的に知られるKISSの創設メンバーでありギタリストのエース・フレーリーが、先月、不慮の転倒事故により74歳で死去した。彼の家族は16日、声明を発表し訃報を認めた。「私たちは完全に打ちひしがれ、信じられない思いです。彼の人生の最後の瞬間に寄り添えたことは、この上ない幸運でした」と述べている。

フレーリーはニューヨークのブロンクスで生まれ、少年時代から強い音楽的才能を発揮した。1964年のクリスマスに人生初のエレキギターを手にして以来、ジミ・ヘンドリックス、ジェフ・ベック、ザ・フーといったロックの先駆者たちを師と仰ぎ、独学でギターを習得。1972年末には、リズムギタリストのポール・スタンレー、ベーシストのジーン・シモンズ、ドラマーのピーター・クリスが結成したKISSに加入し、バンドの魂ともいえる存在となった。
シルバーとブルーの戦闘服を身につけ、顔に星のメイクを施したエース・フレーリーは、『コールド・ジン』、『ショック・ミー』、『ロケット・ライド』といった数々の楽曲制作に携わり、ファンの間でクラシックとして愛され続けている。1978年にKISSのメンバー4人が同時にソロアルバムをリリースした際、彼のソロアルバム『エース・フレーリー』は絶賛され、カバー曲『ニューヨーク・グルーヴ』はチャートでトップ20入りを果たした。
しかし、名声とプレッシャーはエース・フレーリーをアルコール依存症と薬物中毒へと追い込んだ。1982年にバンドを脱退しソロ活動を開始。1987年にはフレイリーズ・コメットとして力強くカムバックし、『ロック・ソルジャーズ』でロック魂を再確認させた。1996年にはオリジナルメンバーと再集結して世界ツアーを敢行し、懐かしさの波を巻き起こした。1998年にはアルバム『サイコ・サーカス』のレコーディングにも参加している。
エース・フレーリーは2011年に自伝『ノー・リグレッツ』を出版し、ブロンクスの少年からロックスターになるまでの道のりを振り返った。2014年にはKISSとしてロックの殿堂入りを果たしている。2024年にはニューアルバム『10,000 ボルツ』をリリースするなど、晩年まで精力的に活動を続けていた。

KISSのポール・スタンレーとジーン・シモンズは、追悼の声明で「エースはバンドの歴史においてかけがえのないロック戦士であり、永遠にKISSの伝説の一部です」とコメントした。
via: Variety