「PlayStationの父」久夛良木健、ゲームディスクを手放せないファンに理解も「生産継続は経済合理性に欠ける」

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(Sony Interactive Entertainment LLC、以下SIE)が、2028年1月以降に発売される新作向けゲームディスクの生産終了を発表して以来、ゲームの「所有」をめぐってプレイヤーの間では今なお不安が広がっている。「PlayStationの父」と称される久夛良木健はこのほど、ファンの不満に理解を示す一方、ゲームディスクの生産にリソースを投じ続けることは、もはや経済合理性に欠けるとの考えを明かした。

初代PlayStation、PlayStation 2、PlayStation 3の開発を主導した久夛良木は、英国で開催されたGame Republic New Horizonsで「VGC」の取材に応じ、ゲームディスクは長年にわたって「ゲームを所有すること」の象徴と見なされてきたため、デジタル化への反発が起きていると指摘した。

「ゲームディスクが『ゲームを所有すること』の象徴になっているのは理解しています。そうした意識も非常によく分かります」。久夛良木はスマートフォンを例に挙げ、ネット接続機器に物理メディアが必要だと考える人はいないと説明。その背景には、購入したコンテンツを維持できるという信頼があるとし、「不満を抱く人たちの気持ちは本当によく分かります。ただ、経済的に合理的だとは思いません。意識の問題なのかもしれません」と語った。

久夛良木によると、現在のPlayStationチームにはストリーミングやネットワークサービス業界出身のメンバーが多く、ゲーム機を単なるゲーム用デバイスではなく、さまざまなデジタルコンテンツを提供する端末として捉えている可能性があるという。「そうした考え方は理解できますが、ゲームファンとの間に摩擦が生じているのも事実です」と述べた。

実際、久夛良木は2006年の時点で、デジタル配信とネットワークストリーミングがいずれゲームディスクに取って代わり、将来的にはハードディスクさえ不要になる可能性があると予測していた。

今後については、部品不足によるハードウェア価格の高騰に懸念を示し、AIとクラウドコンピューティングが潜在能力を十分に発揮できれば、将来はゲーム機そのものが不要になる可能性もあると指摘。ただし、あくまで個人的な見解であり、ソニーの公式見解ではないと強調している。

via: VGC