エレクトロニック・アーツ(以下、EA)が、傘下のゲーム開発スタジオBioWareを閉鎖し、『マスエフェクト』新作の初期開発を中止すると電撃発表した。BioWareもその後、別れのメッセージを公開。30年以上にわたって生み出してきた作品とプレイヤーからの支持を振り返るとともに、現在はゲーム制作に携わってきた従業員の移行支援を最優先にすると強調している。
BioWareが発表したメッセージ全文は以下の通り。
30年以上にわたり、BioWareは単なるゲームスタジオ以上の存在でした。物語を紡ぐ人々、ゲーム開発者、そして私たちが創造した世界に命を吹き込んでくれたプレイヤーにとって、ここは共通の家でもありました。
『バルダーズ・ゲート』、『ネヴァーウィンター・ナイツ』、『STAR WARS: Knights of the Old Republic』、『ドラゴンエイジ』、『マスエフェクト』、『Anthem』
30年以上にわたる冒険を共に歩んできた今、BioWareは閉鎖されることになり、次回作となる『マスエフェクト』の初期開発も終了します。
この言葉を書き記すことは、私たちにとって決して簡単ではありません。今、何よりも気にかけているのは、これらのゲームに計り知れない情熱を注いできた才能あふれるチームの仲間たち、そしてこの変化の中で、どう互いを支えていくかということです。
歴代のBioWareメンバーが共に創り上げてきたすべては、祝福され、記憶されるに値します。皆さんが実際にゲームをプレイし、自ら選んだ一つ一つの決断について語り、登場人物を愛し、架空の世界を自分自身の一部として受け入れてくれたからこそ、これらの作品はゲームという枠をはるかに超える意味を持つことができました。
BioWareの全メンバーを代表して、心から感謝します。私たちの物語において、最も大切な存在の一つになってくれて、本当にありがとうございました。

ブルームバーグが入手した社内文書によると、EAの最高執行責任者David Tinsonと最高スタジオ責任者Cam Weberは、同社がここ数カ月にわたり事業全体を精査してきたと説明。EAは全従業員の約3%に当たるおよそ400人を削減する予定で、そのうち約50人がBioWareの従業員だという。
今回の発表は、EAがサウジアラビアの政府系ファンド、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)による買収を完了してから、わずか約2カ月後のことだ。550億ドル規模のレバレッジド・バイアウトによってEAは非公開企業となった一方、約180億ドルの債務を抱えることになった。同社は今年に入り、7億ドルのコスト削減計画を打ち出していた。
BioWareは1995年、医師のレイ・ミュージカとグレッグ・ゼスチャックによって設立され、2007年にEAが買収。『バルダーズ・ゲート』『ドラゴンエイジ』『マスエフェクト』などを手がけ、RPGスタジオとして名声を築いたが、近年は『Anthem』の不振やチームの縮小に直面していた。
『マスエフェクト』新作は2020年に開発が発表されたものの、その後は進捗がほとんど明かされていなかった。BioWareが昨年、人員を縮小した際にも、EAは『ドラゴンエイジ: ヴェイルの守護者』の開発完了に伴う調整だと説明。シリーズ責任者も新作の制作は続いていると改めて強調していた。しかし今回、スタジオの閉鎖が正式に発表されたことで、長年進められてきたプロジェクトも終了を迎えることになった。
via: Bloomberg